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LONG INTERVIEW ―心―

オリックス・山本由伸インタビュー 「僕という投手を表すなら」

 

豪快かつ器用な投球を見せる男は、何を思い、何を考えてマウンドに立っているのか。欠かせぬワードは勝利の2文字であり、その最大の目標への道筋を自ら選んで、唯一無二の投手を作り上げてきた。あくなき向上心を胸に進化を続ける22歳──。思考から投球をひも解いていくため、山本由伸が山本由伸を語り尽くす。
取材・構成=鶴田成秀 写真=毛受亮介

打者との間合いなどを感じ取るなど、察知力にも長けるのは、常に勝利を目指してるからこそだ


始まりは純粋な思い


 あくなき向上心は、投手としての歩みが物語る。弱冠22歳ながら18を背負う男は「満足」の言葉を知らない。ただ、根底にあるのは純粋な思いだ。

──まず自身を語る上で、山本由伸という投手を自分で表すなら、どんな表現になるのでしょうか。

山本 う〜ん……。「まだまだ、これからなピッチャー」です。だいぶ良いボールは投げられるようにはなってきましたが、「まだまだ」「これから」だと思う部分がたくさんある。どの面にしても。

──何か自分自身の成長を楽しみにしている感じですね。

山本 楽しみではありますけど、今の時点では悔しさのほうがあるんです。

──楽しさと悔しさ。両方があるからこそ、より高みを目指していける、と。

山本 そうですね。ピッチングをするにあたっては、足りないところに気が付くことが大事だと思うんです。

──今、その足りないところとは。

山本 一番は安定感です。毎週毎週、登板がある中で、今は毎週、良い投球ができているわけではない。1シーズンがあって、1試合があって、その中の1イニングがあって、1人の打者と対戦する。その中に1球がある。そういう中で毎週、良いピッチングをしていきたい。でも、今の自分はできていないので、そこが悔しいんです。

──では『心技体』と言いますが、山本投手が、心技体で大事にしている順番は。

山本 心と体が万全なら、割と技術も付いてくるのかな、と思っています。でも、体が一番かもしれないですね。体が元気だから、心も充実する。だから技術も発揮できる。どれも大事ですけどね。

──そんな心技体をひも解く中で、まずは心である思考を覗のぞいていきたいと思いますが、野球を始めた小学生時代は、捕手兼任でしたよね。

小学生時代は捕手兼任


山本 はい。小学生のときは・・・

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