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「投球術」大解剖 極めるプロのテクニック

達人に聞く投球術【捕手編】中尾孝義 「リードに100%の正解はありません」

 

特集テーマは投球術だが、現代野球で捕手のノーサインはあり得ず、投球術の“スタートボタン”は捕手に委ねられている。ここでは1980年代の名捕手・中尾孝義氏に「リード術」を尋ねてみた。(投手編はコチラ)
取材・構成=井口英規 写真=BBM

強肩強打で82年中日優勝の際にはMVPにも輝いた


【POINT 1】反対側の重要性


 最初に言わせてもらうと、リードに100%の正解はありません。あるとすれば、“打たれないこと”ですが、そのためにどうしたらいいかとなると、簡単ではありません。

 例えば、よく「今日は球が高めに浮いているので危ないですね」と言われます。自分の球を抑え切れないのだから危ないのは危ないのですが、高めが本当に危険ゾーンかと言えば、そうではありません。確かに浮いた変化球は長打の可能性は高いでしょうが、力のある真っすぐなら、ストライクゾーンの高めいっぱいは、一番空振りを取りやすいコースです。しかも、それを使うことで打者の意識が高めに行き、低めの変化球も生きます。いくら低めでストライクからボールになるタテ変化の球が効果的でも、ずっとそればかりでは振ってこないですからね。

 いい投手は得意球の反対もいいというのがあります。大きく分けると・・・

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