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「投球術」大解剖 極めるプロのテクニック

達人に聞く投球術【投手編】佐藤義則(元阪急、オリックス)「己の状態をよく知り、早く追い込む。苦しい状況を招かないことが一番」

 

ここでは、過去の達人に投手と捕手の視点から投球術を語ってもらおう。まず投手編は、22年間で165勝48セーブ、ノーヒットノーランも達成、そして引退後も日本ハムダルビッシュ有(現パドレス)、楽天田中将大を指導するなど名伯楽としても知られる佐藤義則氏だ。(捕手編はコチラ)
取材・構成=藤本泰祐 写真=BBM

現役時代はホームラン打者のブライアント[近鉄]に強かった。その秘訣は、「怖がらずに外角でストライクを取ること」だった


打者の弱点よりもまずは自分中心に


 基本は「早く追い込んで、難しいボールを打たせる」ことですね。早く追い込めば選択肢ができる。2ストライクにしても、その時点で3ボールなら次はストライクという条件が付いてしまいますが、早く追い込めれば、ボール球も含めて、内角に1球入れても、高めの速球でも、外の変化球でもよしとなりますからね。

 私は現役時代、ホームラン打者のブライアント(近鉄ほか)からよく三振を取っていました。秘訣は、最初に怖がらずに外角でストライクを取ることでした。ホームラン打者は最初は外角なんて狙ってない。追い込んだらこっちのもので、落ちる球の「ヨシボール」で空振り三振です。怖がってボール、ボールで入ると、ストライクを投げざるを得なくなり、甘いところに行って一発も食らいやすくなる。「ここに投げなければ」となると、ピッチャーは無意識に腕の振りを加減するもの。できるだけそういう状況を招かないことです。

 落合(落合博満、元ロッテほか)さんみたいに、ホームランも打てて、空振りもしてくれないバッターにも、勝負するときは・・・

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