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奥深き木製バットの世界へようこそ

高木豊が語るバットのこだわり「私の好みは細くて、ヘッドが効くバットでした」

 

現役時代は攻守走と三拍子そろった選手として活躍。特に打撃はシーズン8度の3割をマークするなど、高い技術で多くの安打を左右に打ち分け、ファンを魅了した。その高木氏にバットの好みやこだわりについてお聞きした。
取材・構成=牧野正 写真=BBM

巧みなバットコントロールで通算1716安打を記録した高木氏。バットのあらゆる部分にこだわった


アオダモの時代思い出の仙台遠征


 木製バットは高校時代から使っていました。入学当初は金属バットも試していましたが、私には木の感触のほうが合ってましたね。高校3年間のトータルで言えば、7対3で木製バットで打っていました。

 素材はアオダモ。ほとんどの選手がアオダモでしたし、逆に言えばアオダモしかなかった。ホワイトアッシュもあったように思いますが、ごく少数だった気がします。私も使ってみたことはあるんですが、今はどうかは知りませんが、当時は柔らかい感じがして、すぐに割れる感じもあって合いませんでした。メープルはまだなかったと思います。

 私がプロに入ったころ(81年)に圧縮バット(木材を樹脂で固めて圧縮加工したバット)が使用禁止になりました。もともと圧縮バットが誕生したのもアオダモが将来的に不足してしまうという背景もあったように思いますが、実際にそうなりましたね。現在はアオダモを使っている選手は、ほぼいないでしょう。アオダモ自体が少ないですから。

 私は細めで、ヘッドが効くバットが好みでした。ボールにバットをぶつけて打つタイプではなく、インサイドからバットを出して、バットのしなりを使いながら打つタイプでしたから。ヘッドが効いているバットのほうが使いやすく、振りやすかったんだと思います。

 グリップも・・・

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