週刊ベースボールONLINE

'92五輪の証言者 INTERVIEW

栄光と挫折の記憶・杉浦正則インタビュー “金メダル”への一途な思い「オリンピックで『4年後……』とは言えない」

 

バルセロナ、アトランタ、シドニーと3大会連続で出場した。今大会は聖火リレーにも参加。「ミスター社会人」はなぜ、オリンピックの魅力に引き込まれたか。一発勝負の醍醐味が、そこにはあったという。
取材=岡本朋祐

ミスター社会人、オリンピック3大会連続のスタートがこのバルセロナだった


 自宅の棚にある銅メダルと銀メダルは、学校の先生をしているカミさんが、道徳の授業で活用しています。オリンピックの舞台に立つまでの過程、実際に戦う選手の思い、日の丸を背負う重圧を説明し、良い教材になっているようです。

 私は幼少時から、オリンピックの虜。金メダルを獲得するアスリートに、あこがれを抱いていました。なぜ、プロへ行かなかったのか? 当初、オリンピックは、アマチュア選手しか出場できませんでした。当時からプロが参加できる状況であれば、変わっていたかもしれません。歩んできた道も、影響していると思います。私は県立高校でプレーし、目の前の勝負を純粋に楽しんでいた。強豪校の選手とは、考えが異なる部分だと思います。4年に一度のステージであるオリンピックにも、そうした夢がありました。多くの期待を背負いながら、一瞬一瞬に死力を尽くす。1点、1つのアウトを、20人全員で取りにいく短期決戦に、魅力がありました。金メダルに挑戦できる機会があるならば、上り詰めたい。それがバルセロナ、アトランタ、シドニーと続きます。結局、金メダルを獲得できませんでしたが……。

 バルセロナは、苦い思い出として残っています。本大会に触れる前に、最も厳しいマウンドは・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング