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最速に挑む。

最速の系譜、最速の浪漫【1980年代〜2000年代】

 

「誰が一番速い球を投げたのか」。多くの野球ファンが幾度となく俎上(そじょう)に上げそのたび熱い議論となる永遠のテーマだ。ここでは速球に魅入られた男たちの系譜を紹介しよう。
構成=井口英規 ※名前のカッコ内は現役NPB在籍球団と在籍年(引退年はNPB)

【1970年代】甲子園の怪物江川とスピードガンの登場



 1970年代前半も、前述の団塊の世代の男たち(ベビーブームと呼ばれた1947年から49年生まれ)がエースとして君臨していたが、高校球界から新しい風が吹き始める。最大風速は、73年のセンバツで甲子園に初出場した作新学院高の江川卓だった。投げればノーヒットノーラン、バットにかすっただけで甲子園のスタンドがわいた怪物だ。

 関東大会で江川を見て「俺より速いとは思わなかった」と言ったのが、1学年上、成東高の鈴木孝政だ。鈴木は73年中日入り。竜史上最速の男として、78年入団の小松辰雄と並び称される右腕だ。2人の球を捕った捕手の木俣達彦は「一番は鈴木、二番は小松。孝政はホップするような球で小松はズドンと来る」と話している。当時、広島が独自にスピードガンをアメリカから取り寄せており、その測定で鈴木が155キロを出したと話題になったこともある。

 ただし・・・

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