高校で一線を引くつもりでいた。しかし、身近な先輩の後押しがあり、大学で野球を継続。潜在能力を発揮し一躍、上位候補に名を連ねる。 取材・文=高橋昌江 写真=橋田ダワー 半端ない重圧で体重は6kg減
苦悩の春だった。椋木蓮は「収穫も反省もない、というのを繰り返していた。あっという間に、何もできずに終わったなという感じです」と振り返る。思い描いていた投球ができず、行き先の見えない道を歩いているようなイメージだった。
右ヒジ、右肩の故障が癒えた昨秋、リーグ戦の第3節から復帰すると、140キロ後半から150キロ前半の快速球を連発し、一躍、今年のドラフト上位候補に名乗りを挙げた。期待値が上がる中で4年春を迎えたが「よくて50、60点。悪いときはゼロ点。ただ足を引っ張った」と表情は浮かない。
昨秋は抑えとして1イニングに全力をぶつけることができた。3年秋を終え、
大塚光二監督(元
西武)は、4年春は先発を任せる旨を伝えた。冬場の練習で長いイニングを投げる体力はアップしたが、ゲームメークに不安を残した。「先輩の津森(
津森宥紀、現
ソフトバンク)や山野(
山野太一、現
ヤクルト)のように追い込んでから圧倒することができない」と指揮官。昨秋は斜めに変化し、空振りを取れていたスライダーが、横に変化するようになってしまったことで、バットに当てられやすくなった。
リーグ戦6試合で25回2/3を投げ・・・
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