無我夢中で投げた1年夏。15歳で全国レベルを痛感した逆転負けは、その後の成長を呼んだ。我喜屋優監督の手厳しい指導が表れる『ヒアリ』のエピソードは、現在の投球術の根底にある。 取材・構成=鶴田成秀 写真=BBM 宮城大弥[興南高2017〜19/現
オリックス]
1年夏の1回戦。4点リードの5回に、智弁和歌山の林[写真左]に2ランを浴びて相手打線を勢いづかせて逆転負け。この一発が、宮城を成長させた
【甲子園成績】1年夏1回戦、2年夏2回戦 雰囲気にのまれてはダメ学んだ“心”の大切さ
弱冠15歳の1年生ながら沖縄の名門・興南の背番号11を着け、県大会決勝では9回13奪三振の快投。当時、我喜屋優監督は「“琉球王子”と爽やかな名前をつけたいところだけど……」と言いつつ「“琉球じじい”みたいな感じ」と堂々たる投球を独特の表現で期待を表した。迎えた甲子園初戦の相手は、強打が武器の智弁和歌山。先発投手に指名したのは15歳の強心臓左腕・宮城大弥だった。が、重圧は大きく周りが見えず、視野が狭くなるばかり。結果は逆転負けの口火を切らせて5回途中降板。そこで学んだのは「怒られてばかりだった」と言う指揮官の指導の本当の意味だった。 ◎
ホントに? イヤだな……。正直、こう思ったのが抽選会後の感想です。初めての甲子園の相手が智弁和歌山。もちろん知っている学校ですし、打つイメージしかない。勝てるのかと不安に思っていたので、先発でマウンドでも周りを見る余裕なんてなかったんです。
心に余裕がなかったからなのか……。でも・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン