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あの夏の記憶。わが青春の甲子園

あの夏の証言 ロッテ・小島和哉「いろんな感情が出た試合。あれだけ泣いた理由も……」

 

春夏連覇を期して挑んだ2013年の夏。浦和学院(埼玉)の2年生エース・小島和哉が、再び聖地のマウンドに上がるも、初回からまさかの乱調。そして10対11の乱戦の末に初戦で散った。168球の熱投──。そこに込められた思いは1つではない。
取材・構成=鶴田成秀 写真=BBM

小島和哉[浦和学院高2012〜14/現ロッテ]

10対10の9回裏。二死一塁で小島が降板後、熊谷敬宥[現阪神]が左翼線へ適時打を放って仙台育英がサヨナラ勝ち。浦和学院の2年生エースは、このシーンを見てはいない


【甲子園成績】1年夏3回戦、2年春優勝、2年夏1回戦

初回の乱調に予兆あり修正が効かず四球連発


春と夏は別物──。1年夏に甲子園初登板も「ベンチで声を出していたら勝ち進んでいた」と先輩に連れてきてもらった舞台は「ただただミットを目がけて投げていただけ」と記憶はほぼない。それでも大舞台での経験を積んだ左腕は成長を遂げ、翌春センバツで頂点に。「自分の投球をすれば大丈夫」と自信を得た。そして春夏連覇を期して夏の聖地へ。だが“夏の難しさ”を痛感する。埼玉大会6試合で計50回3失点。数字は安定感が際立つも、感覚にズレが生じていたという中で、甲子園1回戦は大会3日目の第4試合。陽が傾き始めた16時35分、試合開始のサイレンが鳴り響く。



 モワっとしていたというか、とにかく暑かったんですよ。前の3試合も長くなったこともあって、僕らの試合開始も遅くなったんですけど(予定より1時間遅れ)、まだまだ暑かった。だからと言って準備不足というわけではなかったですし、暑さでバテていたわけでもない。「いつもどおり投げれば打たれない」と思ってマウンドに上がりました。相手の仙台育英(宮城)は強打のチームということも分かっていましたが、舐(な)めていたわけではなく、何かを意識することなく、とにかく“いつもどおり”と──。

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