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あの夏の記憶。わが青春の甲子園

あの夏の証言 ヤクルト・寺島成輝「勝手にリミッターがはずれて、最初からアドレナリンのようなものが出ていた」

 

好投手が集まった2016年夏の甲子園。寺島成輝は世代屈指の左腕として、優勝した作新学院(栃木)の今井達也をはじめとする「高校BIG4」に数えられた。3回戦ではBIG4の一人・藤平尚真を擁する横浜(神奈川)とぶつかった。
取材・構成=依田真衣子 写真=BBM

寺島成輝[履正社高2014〜16/現ヤクルト]

2回戦は、雷雨による2度の中断もあって試合終了は20時台に


【甲子園成績】3年夏3回戦

1回戦より2回戦。気持ちもギアも上がった


大会前から、世代屈指の左腕として履正社(大阪)・寺島成輝の名前は全国に知れ渡っていた。大阪大会では4試合に投げ、29イニングで43奪三振、1失点。前評判どおりの圧倒的な投球で、甲子園への切符を手にした。初めての聖地でもさすがの投球を見せつける寺島だったが、のちにプロ入りする好投手たちが、履正社の前に立ちはだかった。



 この年の夏で一番印象に残っているのは、やはり横浜戦(2回戦)。この試合は第4試合で17時前くらいの開始だったんですが、2回裏に雷雨で中断があり、そのあともまた中断。結局、2回の中断があって合計1時間半くらいの中断がありました。試合が終わったのも20時過ぎだったと思います。甲子園のナイターっていうのも初めてですし、「長かったなあ」という思い出がありますね。

 もちろん、相手の横浜に藤平(尚真、現楽天)がいたというのも理由の一つです。実は横浜の主将だった公家(公家響、現大阪ガス)とは中学時代に親交があって、そのつながりで藤平の連絡先を知っていたんですよ。初めて顔を合わせたのは、抽選会で高橋昂也(当時埼玉・花咲徳栄、現広島)を交えてのフォトセッションのときでしたが。あのころは、藤平と高橋と僕で「高校BIG3」(のちに作新学院の今井達也を加えてBIG4に)なんて呼んでもらっていたので。

 それに、横浜高校といえば、やはり強豪というイメージがありますから。テレビを見ても超強力打線と言われていましたし、試合の映像をチェックしたときも、強いことは分かりました。試合前から・・・

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