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熱戦FOCUS 2021 Special

ペナント奪取へ再始動! 後半戦のKeyman【パ・リーグ編】

 

球界の“熱い夏”は、これからが本番だ。東京五輪開催による約1カ月の中断が明け、8月13日から後半戦が再開。セ・パともに混沌のペナント争いだけでなく、今季はクライマックスシリーズもファーストステージから開催とあってAクラス争いにも注目だ。残り60試合を切り、熱を増すペナントレース。後半戦最初の対戦カードで見えた12球団のキーマンを探っていく。
※情報は8月16日現在

オリックス・杉本裕太郎[外野手]


【成績】81試合、打率.303、19本塁打、58打点、2盗塁

後半戦最初の打席でバックスクリーン弾。四番が打線を活気づけている[写真=高塩隆]


勝利を呼び込む“ラオウ”の豪打

 降り続く雨を切り裂く白球が、バックスクリーンへグングンと伸びていく。後半戦初戦となった8月13日。ZOZOマリンのロッテ戦の初回、二死三塁で四番・杉本裕太郎二木康太の高く浮いたスライダーを逃さず先制の2ラン本塁打を放った。チームを勢いづける後半戦の“開幕弾”に中嶋聡監督も「バンと(得点を)取ってくれるとチームの雰囲気がバンと変わった。良さですね」と称えた一打は、7月2日以来の今季19号だった。

 月間MVPを受賞した6月は打率.375、5本塁打で、チーム躍進の原動力になるも、7月は同.146、1本塁打と調子が下降気味に。そんな中での五輪による中断で、打撃フォームを見直した。特に手を加えたのは、スイングを始動するまでの顔の位置だ。

「宗(宗佑磨)はボール球を振らないので『どんな感じなん?』と聞いたんです。顔が動いたら、ボールが速く見えたり(体が)ブレる、と。意識したら、見え方が変わりました」

 顔を固定し、ボールを見定めて一閃。エキシビションマッチ最後の4試合で7安打3本塁打と調子を上げてシーズンへ。好調そのままに愛称“ラオウ”で親しまれる四番の豪打で6対3と後半戦白星発進を飾った。ロッテの井口資仁監督も「相手はキーマンが2人いる」と警戒していた吉田正尚との三、四番コンビは、今や他球団の脅威となっている。

 実力でつかんだ四番の座。今季、自身初の開幕スタメンも打順は六番だった。快音を響かせると、五番に昇格し、4月9日に初の四番に座り、5月から定着していった。もともと長打力は抜群も確実性を欠いていたが、1勝1敗で迎えた後半戦開幕カードの3戦目、8月15日のロッテ戦では3安打の猛打賞。1点を追う6回には、三塁線を破る逆転2点適時打を放ってカード勝ち越しを手繰り寄せ、自身の打率も3割に乗せた。

「ファウルで良い。そう思うようになったんです。そうすれば、もう1球、チャンスがある」。前のめりだった気持ちの調整を可能にしたのは中嶋監督でもある。杉本は言う。

「監督に我慢して使ってもらっているからこそ、心に余裕を持つことができた。だから、僕は頑張らないといけないんです」

 相手バッテリーが三番・吉田正との勝負を簡単に避けられなくなったのは・・・

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