週刊ベースボールONLINE

刻む金メダルの記憶

日本代表の進むべき道は? 大会総括&侍ジャパンの今後

 

オリンピックでの金メダル獲得は、野球界にとっての悲願だった。2017年7月に就任した稲葉篤紀監督の下、大会の1年延期のアクシデントを乗り越えた日本代表は、なぜオリンピック王者になり得たのか。また、1つの目標をクリアした代表チームが向かう次なるターゲットは? 大会を総括するとともに、今後の侍ジャパンを占う。
取材・文=坂本匠(本誌日本代表担当)

決勝翌日、公式会見に臨んだ日本代表ナイン。誇らしげに金メダルを掲げた[写真=JMPA]


【テーマ1】悲願の金メダル獲得 日本代表の勝因は?


ハイブリッドとコミュニケーションと

 稲葉篤紀監督率いる日本代表は、5戦全勝でオリンピックの頂点に立った。選手として2008年の北京大会、09&13年のWBCに出場、17年のWBCでは打撃コーチとして、近年の日本代表に深く関わってきた経験から、17年7月の監督就任以降、世界と伍すために『スピード&パワー』を掲げて継続したチームづくりを行ってきた。その成果が表れたのが、19年のプレミア12制覇であり、今大会での金メダル獲得である。これまで日本のストロングポイントであった『投手を中心に守り勝つ野球』、そして06、09年のWBC連覇で広く知られることとなった『スモール・ベースボール』を捨てたわけではない。これらは日本の基盤として当然に備えているものとし、ここに『スピード&パワー』を加えようと試みたのが稲葉監督の野球だった。

稲葉ジャパン戦いの足跡[33試合26勝6敗1分、勝率.813]


 継投のミスもあり、開幕のドミニカ共和国戦(7月28日、福島・あづま)では9回裏を迎えて2点のビハインドを追う苦しい展開となったが、一死から相手のミスにも乗じつつ単打でつなぎ、1点差まで追い上げたところで甲斐拓也がセーフティースクイズを成功。最後は坂本勇人のサヨナラ打で決着を見たが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング