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打線に勢いをつける虎戦士 スペシャルトーク

阪神・梅野隆太郎(捕手) 犠牲心が「猛虎打線」を築く「チームとして束になって、相手チームに襲い掛かっていくことが大事」

 

あの景色をもう一度。長く一緒に戦ってきたチームメートと分かち合いたい。虎の正捕手で、下位打線での重要なカギを握るチームリーダーが、歓喜を呼び込むために“何が必要なのか”を東京五輪の優勝であらためて感じ取った。得点するために何が必要なのか、その答えを猛虎打線で具現化していくつもりだ。
取材・構成=椎屋博幸 写真=石井愛子、BBM(成績は8月23日現在)

打率は2割5分前後でも、得点圏打率は4割近い成績を残す。ここぞの場面では最大限の仕事をやってのけられるのが梅野の強みだ


【2021成績】92試合74安2本28点8盗、打率.248
(8月23日現在)

塁をつなぐ気持ちが大きな得点を生む


 得点圏打率.393と高い成績を残す恐怖の八番打者だ。一時期は打率5割超えも記録するほど。しかし、打率自体は2割4分台。それだけ勝負の場面での集中力はすさまじい。この力を発揮する源は、チーム打撃を打線全体で実行できているから。梅野隆太郎にもみんながつないだチャンスをモノにするという強い気持ちがある。

 前半戦、チームの中で打つべき人が打っていたことが、首位に立てた要因であると思います。まあ悠輔(四番の大山悠輔)は、なかなか苦しい状況が続いていたのですが、その前後のサンズやマルテが、メーク(チャンスを作ったり、走者をかえしたり)してくれたのが大きかったです。特に三番のマルテが、チカ(近本光司)や糸原(糸原健斗)が出塁したときに、打点を挙げるケースが多かったです。

 また、マルテが出塁したときには悠輔がつないで、サンズで点を奪うという循環もありましたし、下位打線では九番の投手を抜きにして、僕も得点圏に走者がいるときに、いい結果を出せていましたので、打線が本当の「線」となって得点を稼ぎだしていたと思います。

 あとは、二番の糸原が犠牲心を出して、何とかして次の打者につなごうという“気持ちの打撃”をしていたことも大きかったです。キャッチャー目線から見たとき、打線全体が、一つの塁を、先に、先にという強い意識を出しながら、実際に塁を1つずつ取っていかれると、非常にイヤなモノなのです。

 そうなると、配球なども変わってくるんですよね。それに二塁、三塁に走者を置いてのピッチングだと点を取られたくないので、すごく慎重な配球になってくる。そんなイヤな攻撃の進め方を阪神打線がやっている。そして、そういう打者が多くいるということは、チームにとっては非常に大きいことだと感じています。時には進塁打が、運よくヒットになる可能性だってあるわけじゃないですか。そうなると相手にとってイヤな場面を作り出すわけですからね。みんながそういう最低限の仕事をしっかりしてくれるので心強いですし、この小さなことが、大きな得点へとつながっていったのが前半戦でした。

 まあ、どうしても打点を挙げた打者に注目が集まってしまうのは仕方ないのですが・・・

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