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【検証】「ラスト50」を読み解け!

DATAでCHECK 02 2021シーズンの異変と新常識 変わったものと実は変わらないもの

 

新型コロナ禍、オリンピックによる中断。いつもと違うシーズンはデータで見ても違っているのか、それとも実は変わっていないのか。
※成績はすべて8月27日現在

12球団最多タイ15引き分けのソフトバンク


【Q1】引き分けの多いチームと少ないチームの差は?


 新型コロナ禍で9回打ち切りが決まり、当初から引き分け増が予想されたが、現時点では阪神ヤクルトを除く全チームが10分け以上を記録し、最多はソフトバンクと西武の15となっている。1982年の中日の最多記録19試合は複数球団が更新することになるはずだ。82年は3時間を超えて新しいイニングに入らないというルールで中日の64勝は2位・巨人の66勝、3位・阪神の65勝には届かず、引き分けが大きなポイントなった。今季も優勝、CS争いが僅差の競り合いになれば、「最悪引き分けでも」という戦い方も増えてくるだろう。

 引き分けの要因を分析するのは簡単ではない。例えば、リリーフ投手陣が万全でない、となれば、当然試合終盤をもつれさせるが、それによって引き分けになる場合、それによって逆転が生まれる場合など、すべて裏表の関係にある。以下の検証も多少、強引な部分もあるが、ご勘弁いただきたい。

 まず、3引き分けと12球団最少の阪神だが、考えられるのは抑えのスアレスの存在。勝ちパターンであれば抑え切って引き分けにさせていない。実際、阪神の9回防御率は2.64。ただし、同時に阪神には“魔の8回”があり、こちらの防御率は5.04。ここで打ち込まれ、引き分けにも持ち込めない、とも言える。攻撃面では阪神は9回の打率が.266と高く、しかも代走を使い、終盤に加点して逃げ切るパターンができているのもあるだろう。

 対してパだが、抑えが楽天松井裕樹を除き万全ではないことに加え、仕掛けが早いことも関係しているかもしれない。代打攻勢にしても9回ではなく、もっと早い回から仕掛け、逆に9回は手詰まりになって引き分けるケースもあった。引き分け11のオリックスであれば、8回の打率は.278ながら9回は.214。もちろんチームごとに要因は違い、ソフトバンクであれば、安定した投手陣と長打力を欠き終盤に加点できない打線によるものと言えるだろう。

【Q2】外国人バッターの打撃タイトルはゼロになるのか?


 今季は新型コロナ禍でほとんどの外国人選手(以下はすべて外国人登録選手)の来日が遅れ・・・

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