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どこまでも高く飛べ 躍進のスワローズ

最下位からVへ一直線! 炸裂!高津マジック

 

「3年連続最下位を回避するのが、われわれの至上命題」とは、小川淳司GMの言葉だ。2019、20年と2年連続最下位に沈んだヤクルトは、オフに積極補強を敢行。チーム内競争が生まれたことでチーム力の底上げに成功した。さらに、それらを駆使する高津臣吾監督のタクトも冴えわたり、最下位脱出どころか、優勝争いに参戦している。あとは頂を目指すのみ――。男たちの思いは一つだ。

高津臣吾監督は、常に選手の状態を見極め、最適なポジションを与えようと腐心する[写真=桜井ひとし]


個々の力を見極めて


 連続最下位からの巻き返し――。高津臣吾監督に課せられた至上命題だ。ひたすら勝利を求めて臨んだ就任2年目のシーズンは、前半戦をセ・リーグ3位で折り返した。躍進の背景には、“高津イズム”が浸透してきたことが挙げられる。

 高津監督が何度も選手たちに訴えてきたのは「1点の重要性」だ。「1年を通じて1点を守り抜き、取りにいく野球を続けていきたい」。その思いはタクトにも表れた。

 4月7日の広島戦(神宮)。1点を勝ち越された直後の6回一死一、三塁から、五番・荒木貴裕が初球で同点のスクイズを決めた。7回には先頭・渡邉大樹が左前打で出塁すると、告げたのは「代打・嶋基宏」。ベテランが犠打を成功させると、一番・山崎晃大朗が決勝の右前適時打を放った。当時は青木宣親らが新型コロナウイルスの影響で離脱し、新助っ人も合流していない。戦力が十分に整わない中、指揮官の采配と選手の献身的なプレーで大きな連敗もせずに乗り切った。

 1点を奪うための姿勢は走塁にも表れた。5月7日の巨人戦(東京ドーム)では・・・

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