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超高校級!! 注目選手クローズアップ

達孝太(天理高/投手) 193cm右腕の未知なる可能性「一流選手の感覚を、一つの引き出しとして頭に入れておくことも必要」

 

夢はNPBで活躍した上で、MLB挑戦だ。目的意識が明確で、取り組みも前向きだ。将来性抜群の大型右腕にNPBスカウトも熱視線を注ぐ。
取材・文=沢井史 写真=宮原和也

193cmで手足の長さが、投球にも生かされている。伸びシロは十分だ


 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、奈良県教育委員会は県立高など計40校の夏休みを、当初の8月31日から9月12日まで延長。私立の天理高も、県の方針に準じた日程に変更となった。達孝太は9月上旬までは大阪府内の実家で過ごし、野球部寮に戻ってからは限られた条件下で、学校施設で練習を続けていた。

「体重が一時は90kgまで増えたことがあったんですが、それでは少し動きにくくて、今は88kg。それくらいが、ベスト体重かもしれません」

 今春、センバツでの459球は記憶に新しい。3戦2完投(うち1完封)でチームを4強進出へと導いた。長身から最速148キロ。仙台育英高(宮城)との準々決勝では8回を投げ、大会最多164球。しかし、バント処理の際に左わき腹を痛め、東海大相模高(神奈川)との準決勝は登板がないまま惜敗した。登板回避は将来を見据えた末の決断。試合後のオンライン会見で「自分はやっぱり、メジャー・リーガーという目標があるので、この試合だけを考えて投げることは全然できたんですけど、そこに行くために、いま故障してもまったく意味がないので、そこは監督(中村良二氏)と相談して決めました」と語った。

 治療のため4月はチーム本隊から離れ、医者からのGOサインが出たあとは、慎重に動いた。春の県大会3回戦(対平城高)では1イニングの救援。だが以降、調整を急いだ影響か、オーバーワークがたたった。

「普段の生活や投げているときは問題なかったのですが、投げ終わったら少し痛みを感じて……。6月上旬に検査をしたら、ヒジに炎症があることが分かりました。そこから約2〜3週間ノースローで、その後、徐々に投げられるようにはなりました」

 6月は県の規定で、県外の学校と対外試合ができず、万全の調整とはいかなかった。エース番号を譲り「11」を着けた夏。奈良大会初登板となった大和広陵高との3回戦で先発も、4回3失点。制球に苦しみ、やや不安を残すスタートとなった(チームは15対3で6回コールド勝利)。

「正直、良くなかったですね。球速が上がらなかったですし・・・

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