横浜高との2回戦でバックスクリーン左へ豪快な本塁打。3回戦でも2試合連続弾を放ち、準優勝の今夏は打率.455(22打数10安打)、7打点とけん引した[写真=牛島寿人]
最後の夏に本領発揮
待望の甲子園初本塁打は、1年夏から数えて通算32打席目だった。横浜高(神奈川)との2回戦でバックスクリーン左へ飛び込む特大弾。感情を表に出さない強打者が、一塁を回るとガッツポーズを見せた。
「真っすぐに狙いを張って、ヘッドを走らせて、打つことができました。やっと(甲子園で)打てました」
本塁打前の打席では、センターフェンス直撃の打球(記録は単打)だった。いずれもライナー性の鋭い当たりで、ようやく本領を発揮。日本航空高(山梨)との3回戦でも、右翼スタンドへ豪快な一発をたたき込んだ。試合を重ねるごとに存在感が増し、左打席に立つたびにワクワクさせた。今夏はコロナ禍により、学校関係者のみの入場。かつての超満員の甲子園であれば、前川の一発が大観衆を虜(とりこ)にしたのは間違いない。
2019年夏。甲子園デビューとなった八戸学院光星高(青森)との2回戦でチームは初戦敗退も、1年生四番は2安打を放ち、強烈なインパクトを残した。この夏は2歳上の兄・夏輝さんが津田学園高の四番打者(三塁手)として出場していたこともあり「兄弟主砲」として、話題を集めた。
2年春のセンバツ出場を決めていたが・・・
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