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逆襲のオリックス 叶うべき夢の先へ

進撃のWエース1 宮城大弥インタビュー「風を吹き込みたい」

 

打者を翻弄する変幻自在な投球で、高卒2年目ながら開幕先発ローテ入りすると、破竹の勢いで2ケタ勝利をマーク。8月に20歳になったばかりの左腕・宮城大弥だが、思考をのぞけば、異次元の域にある。自らを本格派かつ技巧派の”複合派”と言う新タイプこそが重ねる白星の要因だ。「風を吹き込みたい」と言う男がさらにチームを上昇気流に乗せていく。
取材・構成=鶴田成秀 写真=湯浅芳昭

オリックス/投手/20歳


精いっぱいの状況


 開幕前に理想の投手像を問うと「今までにいないようなタイプになりたいんです」と、本格派かつ技巧派の“複合派”を挙げていた。その思いはシーズンを戦う中での思考にも表れる。すでに2ケタ勝利を挙げ“左腕エース”に値する飛躍を遂げた弱冠20歳だが、「今は精いっぱいの状況」と残している数字と一致しない。



──すでに2ケタ勝利を達成。勝ち星を重ねている結果を自己分析すると、どんな答えが出てきますか。

宮城 特に前半戦は、いろんなボールで勝負できましたし、いろんな球種でバッターを打ち取ることができました。そこだと思います。あとは、ホントに野手の皆さんに助けてもらったことです。

──「すべてを勝負球として」は、昨季から口にしてきたことです。

宮城 はい。ただ、まだできている部分と、できていない部分があるんです。これから修正していきたいな、と。

──「できていない部分」とは。

宮城 良いときと、悪いときの差が投げるボールに出ているんです。

──登板を見れば、あまり調子の波がないように映りますが。

宮城 自分の中では波が大きいんです。感覚の違いから、ボールのキレが変わってくるのか……。いろんなものが少しズレているのかな、と。良いときと悪いときの差があるんですが、その原因が何かは、まだはっきりとした答えが出ていなくて。ブルペンで投げているときと、実際に試合で投げるときは、感覚が変わる。やっぱり試合になれば、緊張感もあって集中力も変わってくるので。できるだけ、その感覚の波をなくしていきたいんです。

──ただ、試合途中にプレートの踏む位置を変えるなど、ゲームの中での修正能力の高さも見せています。

宮城 いつも、いっぱいいっぱいなので、考えているヒマはないんですけどね……。キャッチャーの寅威(伏見寅威)さんだったり、コーチの方にアドバイスをもらって、それを試している感じで。ただ、1つ思うのは「迷ってから」ではなく「迷う前に」しっかり準備していかないといけないな、ということなんです。

──と言うと迷いが生まれている、と。

宮城 いろんなことに迷っています。もうほとんどのことで。僕はまだ全然、自信がない。投げてみないと調子の良し悪しも分からないので、試合が始まるまで、いろんな不安が出てくるんです。そういう不安って、まだ自分の中で答えが出てないからなのかなって……。だから自信がないし、どんな準備をすればいいか迷いが生まれているんです。

──昨季は1つの答えとして、マウンドで目指すのは「カウントを有利にすること」を挙げていました。

宮城 そのためには・・・

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