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逆襲のオリックス 叶うべき夢の先へ

【CLOSE UP】結束の象徴 “中嶋チルドレン”の奮闘

 

定位置奪取へ。くすぶっていたナインが頭角を現し、生まれ変わりつつあるチームの骨格をつくりあげた。中嶋聡監督がファームの指揮を執っていたときから信じて疑わなかった選手の力。秘めるポテンシャルを発揮し、起用に応える選手たちとの結束は固い。
写真=BBM ※成績は9月16日時点

杉本裕太郎[#99/外野手/30歳]105試116安27本72点、打率.310
打線の中軸を成す杉本は中嶋監督の起用に応え、リーグトップの本塁打数をマーク


心の支えとなって


 球団施設の大阪・舞洲での風呂場でのこと。「一緒に行くぞ!」──。ファームを指揮していた中嶋聡二軍監督が、一軍の代行監督に就任することが決まった昨年8月21日。杉本裕太郎にそう声を掛け、ともに一軍へ。群を抜く打球飛距離は日本人離れと、秘めるポテンシャルの高さは誰もが認めていた。ただ、変化球への対応など粗さも目立ち、一軍定着とはならず。そんな不安定な立場が、背番号99が殻を破れない一因でもあったが、風呂場での一言が、未完の大器が覚醒する契機となる。今季、正式に“中嶋監督”となってからも、杉本を起用し続けた。

「打てんかったら二軍やな、とか、そんなことも思っていたんです。けど、我慢して使ってくれた。安心感ではないけど、心に余裕が持てたんです。甘いボールをファウルにしたら『うわぁ』と思っていたんですけど、今は『ファウルでいい。またチャンスがある』と思えるんですよね。それって、やっぱり我慢して使ってもらえているからかな、って。だから、監督のためにも頑張らないとダメなんです」

 変化球も右方向へ運ぶなど、今季の打率は3割超。さらにリーグトップの27本塁打と、圧倒的な長打力を開花させたのは気持ちの面だった。

結果を残せば、中嶋監督[右]の元へ。指揮官も喜びを爆発させる[左は杉本]


 実際にプレーするのは選手だ。だから指揮官は手取り足取り指導することはない。心を大事にする指揮官は、春季キャンプもその方針で、シーズンに入っても同じだ。高卒2年目にして正遊撃手の座をつかみつつある紅林弘太郎に対しても変わらない。19歳ながら開幕遊撃の座をつかんだ紅林だが、攻守ともに脆(もろ)さは否めず、終盤の大事な場面での失策や、ここぞの決定打を欠いても教え込むことはなかった。

 試合後のベンチで背番号24と話し込む指揮官の姿を何度も目にしたが・・・

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