NPBスカウトの活動に休息の二文字はない。10月11日、2021年のドラフト会議が終われば、22年へのスタートを意味する。“対象選手”は将来を決める1年を控え、より自覚を持ってプレーするはず。まずは、日体大の「リアル二刀流」を紹介する。 取材・文=岡本朋祐 写真=藤井勝治 投げては最速150キロ、打席ではシュアなスイング、50m5秒9の俊足で、外野守備にも定評がある。攻守走がそろった好選手は、登板時にも打席に立つ「リアル二刀流」だ
プロ注目の高校時代は最速148キロ&32本塁打
大学生の「二刀流」が一躍、クローズアップされたのは2019年12月、50人が参加した侍ジャパン大学代表の候補選手選考合宿(愛媛・松山)だった。1年生・
矢澤宏太は2日間にわたる紅白戦で外野手として4打数2安打。マウンドでは打者7人を1安打に抑え、当時3年生だった早大・
早川隆久(現
楽天)と並ぶ、同合宿における左腕最速となる146キロを計測している。メンバーが限られ、短期間でタイトな日程が組まれる国際大会において、複数ポジションがこなせる選手というのは貴重な存在である。翌20年6月に開催予定だったハーレームベースボールウイーク(オランダ、新型コロナウイルスの感染拡大により中止)の代表24選手の有力候補に浮上したのだった。
藤嶺藤沢高では3年夏の南神奈川大会8強進出。投手で先発時は三番打者、野手で出場する際には一番でチームをけん引した。最速148キロで高校通算32本塁打。プロ志望届を提出したが、矢澤の名前が呼ばれることはなかった。10球団近くから調査書が届き、育成ドラフトでの指名の可能性を残していたが、その場合は「大学進学」を示唆。4年後を目指し、日体大の門をたたいたのである。
野手にも生かされる投手メーンの練習
投打でレベルアップを誓う矢澤にとって・・・
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