まさかの1位指名 昌平高から初のプロ
「東北楽天、吉野……」と聞こえた瞬間に会見場は思わず「おぉーっ!」とどよめいた。そしてすぐさま温かい拍手で包まれる。緊張した面持ちで座っていた
吉野創士はフッと表情を緩めると、自然にあふれてきた涙を両手で押さえた。その想いは?
「まずは順位への驚きですね。そしてここまで3年間積み上げてきたものがちゃんと表れて良かったなと」
ここ数年、サッカーやラグビーなどの運動部が目覚ましい活躍を見せている昌平高だが、ここへ来て初となるプロ野球選手の誕生。「まさか本校からドラフト1位選手が出るとは……。とても誇らしく思います」とは同校OBの黒坂洋介監督だ。
吉野はもともと別の高校へ進学するつもりだった。小6で
千葉ロッテマリーンズジュニアに選ばれ、中学時代は東京城南ボーイズで捕手を務めて3年夏に全国8強。もちろん素質は高く評価され、多くの強豪から誘いを受けていた。ただ、黒坂監督からの猛アプローチに心が動いたのだ。指揮官は初めて吉野の打撃を見たとき、衝撃を受けたという。
「ティー打撃でしたが、ボールに対するバットの入射角がほかとは明らかに違ったんですよ。単純にパーンと強く弾くんじゃなくて、独特な角度で・・・
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