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惜別球人 彼らの勇姿を忘れない

中日・山井大介 記録より記憶に残る選手

 

時折見せる大胆不敵なピッチング。かと思えば突然乱れて連打を食らった。それでも不思議と魅力のある投手だった。2007年の日本シリーズ第5戦で見せた投球は、ファンの間で永遠に語り継がれるだろう。

無双モードに入ったときの山井の投球は芸術品だった。写真は07年11月1日の日本シリーズ第5戦[写真=BBM]


 現役最後の一球は、伝家の宝刀スライダーだった。ヤクルトの先頭打者、塩見泰隆のバットが空を切る。その鋭い切れ味、そして初球に投じた143キロの真っすぐを見れば、来季もまだ十分にやれると感じたファンも多かっただろう。だが、山井大介は20年間に及ぶ現役生活に自ら終止符を打った。

 神戸弘陵高(兵庫)、奈良産大から河合楽器に進み、ドラフト6位で山田久志監督1年目の中日に入団した。先発、中継ぎ、抑えとあらゆる場面で登板し、投手王国のチームで自分の居場所をつかんだが、一方で好不調の波が激しい投手でもあった。ルーキーイヤーから31試合に登板して6勝をマークしたものの、2年目はわずか4試合の登板で未勝利。アップダウンが大きく、忘れたころに快投を演じて周囲を驚かせるのが山井の特徴でもあった。

 その最たる例が・・・

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