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惜別球人 彼らの勇姿を忘れない

阪神・桑原謙太朗 カッターで無双状態作った男

 

この男がマウンドに上がれば、絶対に抑える。それだけの存在感を示した。2017年、阪神の6、7回を任せられ、ほぼカットボールかスライダーという投球ながら、打者を簡単に抑え込んだ。輝いた期間は短かったが、強烈な印象を残した投手だった。

オープン戦から結果を残し、17年一気にブレーク。6、7回のピンチに登場し、難なく打者を抑えリーグ2位に貢献した[写真=BBM]


 分かっている球種なのに打者のバットが空を切る。投球の約6割が鋭く曲がるカットボールとスライダー。打者をまったく寄せ付けない投球を見せたのが2017年の桑原謙太朗だった。セットアッパーとして43ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎを獲得した。

 金本知憲監督の大抜てきだった。横浜に入団した2008年。登板30試合中10試合に先発し3勝を挙げたのみで、その後もさほど大きな実績を残したことがなかった。11年にトレードでオリックスに移籍するも、このときも一軍で目立った成績を残してはいない。

 14年のオフにまたしてもトレードとなり阪神に移籍。15年は開幕一軍入りを果たす。そして開幕から9試合中4試合に登板したが結果を残せず、二軍へ降格。ここまでは毎年同じような成績を繰り返すのみだった。金本新政権となった16年はプロ入り初の一軍登板なしに終わる。一方で二軍では29試合に投げ防御率0.00と好成績を残していた。

 当時の金本監督は、若手起用を中心に、成績を残した選手を起用する方針でチームの底上げを図っていた。その中で17年のオープン戦で結果を残す。8試合に登板し防御率1.17の好成績で開幕一軍の切符をつかむ。だが・・・

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