くすぶり続けた昨季までの6年間。高い身体能力を誇るも、飛躍できずにいた25歳は今季、内野再転向で花開く。二番・三塁に定着して指揮官の期待に応え、目指した戦友に捧ぐ優勝の二文字──。胸に秘めた2つの約束が、熱い男を強くさせチームに勇気を与えていった。 文=米虫紀子(スポーツライター) 僕は器用じゃない
大混戦のパ・リーグを制したが、シーズン序盤は得点力不足に泣き、下位に沈んでいた。快進撃が始まったのは、5月に二軍から昇格した
福田周平が一番を任され、
宗佑磨が二番に定着してからだ。
以前の宗の打撃は淡白に映ることもあったが、今年は1球への集中力や粘り強さが違っていた。
「二番ということもありますし、前に周平さん、後ろに正尚(
吉田正尚)さんがいることも大きい。正尚さんの前なので何とか塁に出ようとして、少しずつ粘りが出ているんじゃないか」と語っていた。
今年は打てない試合も三塁の守備で貢献した。軽やかな身のこなしとハンドリングで難しい打球も難なくさばき、強肩で三塁ベース後方からでも悠々とアウトにする。SNSでは「メジャー級」と話題になった。
もとは内野手として入団し、主に遊撃を務めたが、外野にコンバートされていた。ただ・・・
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