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立浪ドラゴンズ 強竜復活へ始動

選手のために、チームのために 立浪政権を支える仕事人たち

 

ともに戦う信頼できるコーチ陣は、自ら声を掛けて呼び寄せた。「教えることの難しさは自分もすごく痛感している」と立浪監督が言う。投手力の整備、打撃力の向上、若手の育成──彼らの責任と役割は大きい。
写真=宮原和也

中村紀洋打撃コーチ[右]の就任はインパクトがあった。秋季キャンプでは多くの選手が打撃改造に取り組んでいる。“打てない”中日をどのように変えていくのか。左は根尾、中は石川昂


左右の新打撃コーチ


 秋晴れの11月4日からナゴヤ球場でスタートした秋季キャンプ。2年目の石川昂弥の打球が軽々とフェンスオーバーしていく。

「素材が良いですね。日本を代表するバッターになるはずです。あとは本人の意思。意思がかなり重要だと思います」

 そううなずいたのは、新任の中村紀洋打撃コーチだ。チーム打率、本塁打、得点がいずれもリーグワーストに終わったドラゴンズにあって、打撃向上、若手野手の底上げは喫緊の課題。立浪和義監督から直接「石川を育ててほしい」と声を掛けられた。2007年から2年間ともにプレー。オリックスを退団し、中日に育成入団した際にやりやすい環境をつくってもらった恩はいまだに忘れていない。

「すごく声を掛けてもらった。以前からサードを守られてて、僕が入ったことで代打専門になる。僕自身が同じことをできるかと思うとすごいなと。崇拝というか尊敬しています」

 もちろんコーチ就任の打診に「やらせてください」と即答した。石川昂をはじめ、野手陣には「意識は手8割、下半身2割」と伝える。その心は──。

「下半身を意識すると手が出てきません。タイミングを取れなくて打つのが手打ち。手で打ちながらタイミングを取る」

 その将来の主砲候補は練習ではナゴヤ球場で場外弾を放つほど、圧倒的な飛距離を見せつけている。さらに根尾昂もシーズン中は練習でもほとんど見られなかったサク越えが飛び出すようになった。中村紀コーチは「変わるんですよ、僕が教えると」と笑う。その自信と存在感が選手たちを後押ししている。

中村紀洋[一軍打撃コーチ]1973年7月24日生(48歳) 大阪・渋谷高から92年ドラフト4位で近鉄入団。主砲として2000年は本塁打と打点の2冠に輝き、01年は打点王を獲得。05年にメジャー・ドジャースへ移籍もオリックス復帰を経て07年から中日へ。09年から楽天、11年から横浜・DeNAでプレー。17年4月から浜松開誠館高非常勤コーチ


「動」の中村コーチに対して「静」なのが片岡篤史二軍監督だ。少し離れた場所から、じっと選手の動きを見続けている。

「初めての選手が多いから・・・

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