監督就任直後、ロッテから落合[右]を獲得した星野監督[左]
いきなりの落合獲得
1986年秋、男盛りの39歳。NHKのスポーツキャスターとして全国区の人気者となっていた
星野仙一に、
中日から監督にと声が掛かった。
「名古屋の人に呼ばれたら、これは召集令状と同じだからね」
星野は当時の心境を振り返った。69年、明大からドラフト1位で中日に入団し、先発、リリーフとフル回転。対
巨人、特に
王貞治、
長嶋茂雄のON相手に熱く燃えた。82年限りで現役を引退したが、84年の2位を除けば、すべて5位と低迷が続く古巣へのイライラはあったという。
「4年間、ネット裏から見ていると、どうもそれまでの中日ドラゴンズと違う。サラリーマンの野球になってしまっている。勝とうという意欲が薄れ、執着心がなくなってしまっているように見えてならなかった」
就任会見で選手へのメッセージを求められ、「覚悟しとけよ!」と言った新監督は、すぐさま激しく動いた。ドラフト会議で5球団が1位で競合した享栄高の
近藤真一の交渉権を自ら引き当て、ベテランの
谷沢健一に「監督・谷沢は選手・谷沢を使えるか」と言って引導を渡す。衝撃的だったのは、ロッテで2年連続三冠王に輝いた
落合博満の獲得だ。交換要員は
牛島和彦、
上川誠二ら生え抜きの若手成長株。ファンから賛否両論の声が上がった。さらにユニフォームもドジャース風のモデルに変えた。
シーズンが始まると・・・
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