近未来の主力と期待され、注目の中で入団。ただし、期待どおり1年目から飛躍を遂げるドラフト1位選手は一握りだ。プロで力と技を磨き、2年目以降にブレークする者もいるが、プロの壁の前になす術なく、いつの間にか消えてしまう者も多い。ここでは12球団別にドラフト1位の指名傾向と現在地を追う。 【セ・リーグ編】はこちら オリックス・チームづくりの方針が見える。即戦力から育成への転換
即戦力を求めて大学・社会人を中心に指名してきたが、徐々に方針が変わってきた。ドライチを見ても分かるように将来性を重視した高校生を獲得して育成に舵を切っている。狙いは戦力層を厚くすること。2016年のドラフト前に西名弘明球団社長(当時)は「地道にイチから育てないと層が厚くならない。ケガがつきもの。ケガ人が出たときに、どれだけ層が厚いかが勝負を分ける」と、同年オフから大型補強を敢行せず。同年のドライチも社会人出とはいえ21歳と若い
山岡泰輔だった。
その山岡は1年目から先発ローテ入りし、前年(15年)ドライチの吉田正尚も主軸に成長。17年の
田嶋大樹も先発ローテで腕を振り、生え抜き選手を中心のメンバーに。一軍選手が若返れば、ドラフト指名も即戦力だけを求める必要がなくなり、18年からは3年連続の高校生を指名。
太田椋、
宮城大弥はすでに一軍デビューを果たし、宮城は今季13勝と大ブレーク。ファームで基礎体力&技術を養い先を急がない。若手が着々と育ってきたからこそ、今年は先発&救援もこなせる大学生右腕の
椋木蓮を指名と、指名サイクルからは戦力整備の狙いが見えてくる。
ロッテ・安田、藤原、佐々木朗と“金の卵”を3年連続で獲得
先を急がない指名方針に変わってきた。2012、13年と社会人投手を獲得と即戦力を指名も、15年以降は高校・大学生にシフト。特に17年からは競合覚悟で“高校生の目玉”を指名し、クジ運の強さもあって金の卵を3年連続で獲得した。
17年ドライチ・
安田尚憲はオープン戦まで一軍も開幕は二軍で迎え、一軍デビューは8月。翌2年目は昇格なく、ファームで本塁打、打点の2冠獲得と実戦経験を積ませて3年目に四番起用と着実にステップアップ。18年の藤原恭大もしかり。新人年に開幕スタメンも、すぐに二軍落ち。本来なら20年は昇格しない方針だったが・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン