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“激闘”頂上決戦 極上の日本シリーズ総決算

【OB解説者の視点】広澤克実(元ヤクルトほか)×本西厚博(元オリックスほか) 25年ぶりのヤクルト対オリックス

 

第6戦で幕を閉じ、ヤクルトが20年ぶりに日本一を遂げた日本シリーズ。両チームの頂上対決は実に25年ぶりのことだった。この戦いを両チームのOBである解説者2人に振り返ってもらった。
取材・構成=富田庸 写真=BBM

ヤクルトは奥川[中央]ら若手選手の台頭が大きかった


【広澤克実の視点1】「流れ」が読めない戦い


 野球は打つ、守る、走るという目に見えるものより、見えないもののほうが大事だと言われています。流れだとか勢い、運、不運……。流れで言えば、第1戦で抑えのマクガフがつかまり、ヤクルトがあんな負け方(逆転サヨナラ)をしました。ヤクルトファンの皆さんは「これは大変なことになったな」と思ったことでしょう。でもこのあと、ヤクルトは3連勝しているんです。

 第1戦の8回にヤクルトが2点を勝ち越し、テレビの野球解説者は「これは大きな1点です」と言いました。しかし試合はオリックスの逆転サヨナラ勝ち。また、第5戦では山田哲人が8回に同点3ランを放ったにもかかわらず、ヤクルトが負けてしまう。今まで言われてきた野球界の常識を覆す野球が行われているという印象を受けました。固定観念、先入観とは何か別の新しいものが入ってきたのがこの日本シリーズ。それがより多くの人にインパクトを与え、注目されたのではないでしょうか。

 いわゆる「助っ人」と呼ばれている人たちですが、この日本シリーズで局面を引っくり返したのは、シーズンでは打線の下位に座っていたり、代打で登場していた存在でした。このような助っ人の調子が結果に影響する日本シリーズはあまりないはずです。中軸で言えばヤクルトは山田哲人と村上宗隆、オリックスは吉田正尚杉本裕太郎。彼らも悪かったわけではないのですが、目立ったのはむしろそれ以外の選手でした。

【本西厚博の視点1】つなぎ役に明暗


 正直なところ、私はオリックスのほうが先に王手をかけるのでは、と考えていました。山本由伸宮城大弥という左右の二枚看板の強みがあり、この2人はそう点を取られないだろうという見立てです。しかし・・・

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