苦しみを乗り越え、男は“代打の神様”となった。腰痛に悩まされ続けた“天才打者”は、チームに日本一をもたらし、大粒の涙を流した。 取材・文=依田真衣子 写真=榎本郁也 代打の神様の一打席
勝ち越せなければ、この日の胴上げはない。3勝2敗で迎えた日本シリーズ第6戦、延長12回表二死一塁。代打を
コールされた
川端慎吾は、ゆっくりと打席に向かった。
オリックスの六番手・
吉田凌の初球、真ん中に甘く入るストレートを見逃した。続く高めのストレート、低めのスライダーはボール。内角低めにスライダーが決まり、一度もバットを振ることなく、追い込まれた。5球目のスライダーは、川端の足元でバウンドし、捕手の
伏見寅威がこれを後逸。一塁走者の
塩見泰隆はすかさず二塁へ。二死二塁。6球目、高めのスライダーをファウルする。
そして3-2からの7球目──。内角高め・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン