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注目選手クローズアップ【大学生編】

矢澤宏太(日体大/投手&外野手) 究極の投打二刀流「両方をやっているからではなく、投手&外野手、野手と別々で見ていただいたときに、1位評価が理想です」

 

神奈川・藤嶺藤沢高時代から最速148キロに加え、高校通算32本塁打を放ち、投打で際立つ存在だった。プロ志望届を提出も指名漏れ。育成選手の可能性はあったが、4年後のドラフト1位を目指すために大学進学。3年春から実践する「リアル二刀流」として、グラウンドを縦横無尽に動く。
取材・文=岡本朋祐 写真=榎本郁也


 許されるのであれば、いつまでもプレーしたい。50メートル走5秒8、遠投115メートルの矢澤宏太は野球センスの塊だ。日体大が加盟する首都大学リーグ戦において昨秋、印象に残る場面があった。3安打完封した桜美林大1回戦後、9イニングを一人で投げ切った勝利投手とは思えない発言が聞かれた。

「自分としては、悔しかった……。信頼されていないのかな、と……。疲れ? まったくなかったです。帰って野手の準備をしようと思います」

 開幕カードの帝京大1回戦は四番・投手で2安打完封し、自己最速を1キロ更新する150キロの大台に乗せた(2回戦は四番・DH)。続く筑波大1回戦は四番・投手で7回1失点に抑えていた。3対1とリードし、7回裏の打席で死球を受けたこともあり、8回から右翼の守備に入った。マウンドから守備へ回るのは初めてのケース(後続投手が打たれ、3対5で逆転負け)。迎えた開幕3カード目の桜美林大1回戦はDHにも入らず、投手専念だった。「オープン戦を含め、投手だけは珍しい」(矢澤)。

首都大学リーグ戦の1回戦は四番・投手で出場することもあり、2回戦は外野手として先発。


 負担と疲労を考慮した日体大・古城隆利監督の起用も、矢澤としては打者でも貢献したかった。シャットアウトしてなお、自校グラウンドへ戻ると、納得いくまでバットを振った。大学野球は投手と打者が分業制。全国26連盟でDHを採用していないのは、東京六大学と関西学生のみだ。矢澤には縁のない規約であり、投打でのフル回転を喜んで受け入れる。

「リアル二刀流」と言えば、本家にエンゼルス・大谷翔平がいるが……。

「大谷さんとは、レベルが違い過ぎます(苦笑)。一人の野球ファンとして見ています。大学卒業後はプロ志望で、仮にドラフト指名を受ければ・・・

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