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注目選手クローズアップ【高校生編】

浅野翔吾(高松商高/外野手) 唯一無二のスイッチヒッター「投手が優先される中で、野手が1位で選ばれるのは価値がある」

 

春2度、夏2度の全国優勝を誇る1909年創部の伝統校・高松商高は昨夏の甲子園で大正、昭和、平成、令和と、四元号での勝利を達成した。智弁和歌山高との3回戦では、2年生スラッガーが豪快なアーチ。右の大砲は一冬を越え、新たなステージへ踏み入れる。
取材・文=岡本朋祐 写真=山田次郎

右打席では、すでに昨夏の甲子園でも本塁打を放つなど、2試合で7打数4安打2打点と実力を披露。秋の公式戦以降は左打席の練習を本格的に開始し、パワーを見せつけている


5打席連続敬遠も覚悟


 昨夏の甲子園。高松商高は21年ぶりの全国制覇を遂げる智弁和歌山高との3回戦で敗退も、2年生・浅野翔吾は左越えの豪快なソロ本塁打を放った。

「2022年のドラフト候補」の評価を決定的とし、新主将の秋も注目された。しかし、県大会準々決勝で敗退。大打者の宿命とも言えるが、浅野はまともに勝負してもらえなかった。高松商高・長尾健司監督は内情をこう明かす。

「打球が上がれば、スタンドイン。転がれば正面以外、内野手は一歩も動けないまま打球が抜ける。内角のさばきが苦手であると、詰まらせようとすれば、バットの根っこに当たった打球は、内野手と外野手の間に落ちる。つまり、相手バッテリーは投げる球がなく、最もリスクのない一塁へと歩かせるわけです。かつて星稜高・松井選手(松井秀喜、元ヤンキースほか)は故意四球を我慢し、バットを静かに置いた。翔吾も打席でストレスはあると思いますが、そこで態度に出せば、それまでの選手。野村克也監督の言葉ですが『人間的成長なくして、技術的進歩なし』。5打席連続敬遠も、覚悟しています」

 身長170cmを感じさせない、頑強さがある。体重87kg。どっしりしているが・・・

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