ポスティングシステムでのMLB移籍を目指す広島の鈴木誠也をめぐり、その契約について現地報道が過熱している。果たしてどれだけの大型契約を手にするのか、日本選手がかつてよりMLB1年目から高額年俸を手にすることができるのはなぜなのか。ポスティングの「今」をひも解く。 写真=Getty Images 「市場価値」で決まるMLB
MLBと日本のNPBの年俸事情を見るにあたって「市場価値」と「査定価値」という大きな違いがあることを理解するのが大前提だ。MLBは当然のように「市場価値」で年俸が決まっていくが、NPBの場合は「査定価値」によって決まる。
MLBの例を見ていこう。Aという投手がメジャー5年目で2度目の2ケタ勝利をマークし、新たに年俸10億円で契約したとする。その後、違う球団の同じくメジャー5年目、2度目の2ケタ勝利を挙げたBという投手が契約交渉を行うとする。このときBの代理人は、Aの評価とBを比較して球団と交渉にあたり、何がAより勝っているかなどを売り込み、同等の年俸(10億円)で契約を結んだとしよう。
この結果、MLB全体での「メジャー5年目で2度の2ケタ勝利を挙げた投手」の相場、「市場価値」が約10億円に決まるのだ。この市場価値を基準に、さらに素晴らしい内容の2ケタ勝利を挙げた投手は基本的にどの球団に所属していようとも、よりよい契約を結ぶことができるようになるわけだ。
一方、NPBの「査定価値」で年俸が決まる場合・・・
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