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球春到来を待ちわびて――巻頭SPECIAL INTERVIEW

ソフトバンク・柳田悠岐インタビュー 弱さを認めて、強くなる「優勝して監督を胴上げしたい」

 

8年ぶりのBクラスも、年が明ければもう過去のことだ。キャンプインも近づき、待ち遠しい2022年シーズン。王座奪還へ、ソフトバンクは新しいリーダーの下で生まれ変わる。藤本博史新監督が満を持して指名したキャプテン。期待に応えるべく、背番号「9」は2022年も進化し続ける。
取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM ※取材は1月14日にリモートにて実施


野球はそんなに甘くない


 練習終わり、疲れを感じさせない明るい声が響いた。「順調で、いい感じに来られています」。昨季4位に沈んだソフトバンクは、監督が交代。藤本博史新監督の下、柳田悠岐は新キャプテンに就任した。入団当初からお世話になってきた指揮官の思いも背負い、2年ぶりのリーグ優勝&日本一への思いはより強くなる。1月17日に自主トレ先での新型コロナ感染が発覚し、23日現在、療養中(症状はなし)。春季キャンプはC組(三軍)スタートが濃厚だが、大丈夫。頼れるキャプテンなら、しっかり仕上げて戻ってきてくれるに違いない。

──新シーズンに向けて、いつもと違う思いはあったりしますか。

柳田 いや、毎年変わらず、また1年が始まるので、いい1年にしたいなという気持ちです。昨年は初っ端からちょっとケガをしてしまったり(※両アキレス腱のコンディション不良)、あまりよくなかったですからね。

──昨年はいつもより早くシーズンが終わり、少し長いオフでした。柳田選手自身は秋季キャンプも免除されていましたが、オフをどう過ごしていましたか。

柳田 ゆっくりさせてもらいました。終わってすぐは、子どもと遊んだり、温泉に行ったり、ゴルフに行ったり。その間に治療もしてもらって。しっかり休養にあてました。12月くらいからはトレーニングも軽く入れながら、まずは自主トレに向けての準備をしてきました。

順調に自主トレを過ごしていた柳田。新型コロナ罹患による遅れは痛いが、開幕には間に合わせる


──昨季はチームにとって悔しいシーズンとなりましたが、柳田選手自身は昨季の敗因をどうとらえていますか。

柳田 単純に“力不足”ですよね。接戦をなかなかものにできなかったですし、やっぱり1つ勝つのは難しいなと。細かい原因はいろいろあるのかもしれないですけど、ひと言で言ったら力不足。それに尽きると思います。

──負けることで気がついたこともあると思います。

柳田 野球は「甘くないぞ」っていうことですかね、一番は。ここ数年、いい思いもたくさんしてきました。2020年シーズンは3年ぶりのリーグ優勝に、日本一は4年連続。もちろんそれが当たり前だとは決して思ってはいなかったんですけど、慢心が本当になかったかと言ったら……。「また日本一になったろう!」っていう気持ちだったんですけど、そんなに甘くはなかったです(苦笑)。

──日本シリーズは見ていましたか。

柳田 見ました、見ました。やっぱりシーズンの最後の最後まで野球ができるって幸せなことですよね。あんなに注目されるのも日本シリーズだからこそ。それをあらためて感じました。ほかの人も言っていましたが、やはり日本シリーズは「見るものじゃなく出るもの」だなと。今年はまた出られるように、しっかり準備していきます。

──チームはこのオフ、工藤公康監督が退任し、藤本博史監督が就任しました。藤本監督は柳田選手の入団当初、二軍打撃コーチとして指導にあたっていましたし、その後一軍でも一緒に。柳田選手から見てどんな方ですか。

柳田 厳しい方なんですけど、いろいろなところで気も使ってくださって。何て言うんだろうなあ。“男の中の男”という感じで、影響を受ける部分がたくさんあります。こういう大人になりたいな、と。

──そんな方に言われたら、キャプテンを引き受けないわけにはいかないですね。

柳田 いやー、でも最初は嫌だったんですよ。嫌だったんですけど、優勝して監督を胴上げしたいという気持ちが強くて。チームがいい方向に向かっていけるようにしたいなと思っています。

──藤本監督を胴上げするのは大変そうですね(※公称体重100kg)。

柳田 そこは若い選手がしっかりやりますよ(笑)。

──キャプテンとして果たすべき役割を、どのようにとらえていますか。

柳田 まずは試合に出続けてしっかり結果を残すというのが一番ですね。その中で・・・

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