誰もが新シーズンへの期待に胸膨らませる球界の“大みそか”に指揮官自ら今季限りでの退任を発表した。17年ぶりの優勝を果たすために考え抜き、選手たちを信頼しての行動だった。 写真=榎本郁也 あの日以降、
矢野燿大監督が語ってきた言葉を一つひとつ追って行くと「周りがどう思うかよりも、選手たちがどうとらえるか」を、徹底的に考え抜いた末の決断だったことが伝わってくる。
「俺の中で、今シーズンをもって監督は退任しようと思っているんで、それを選手たちに伝えた」 2022年1月31日。キャンプインを翌日に控えた全体ミーティングの席で、今季限りで監督を退任すると選手らに伝えた。終了後のオンライン会見の画面上に晴れやかな表情で現れると、報道陣にも自ら切り出し、心境を語っていった。
「俺たち、(人間に)平等にあるのは『24時間』という時間と『死ぬ』ということだけなんで」 いつまでも監督ではいられない。永遠にプロ野球選手を続けられる人間も、誰一人としていない。忙しく日々を過ごしていたら無限に感じられてしまう時間を、監督と選手でお互いに「有限のもの」として意識し直す道を選んだ。そうすれば・・・
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