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2022熱闘到来。2年目の真価

日本ハム・伊藤大海インタビュー 威風堂々。「僕の今年のトレンドが『抜き』です。本気じゃなくても抑えられる投球をやってみたいんです」

 

ルーキーイヤーだった昨季2ケタ勝利を挙げて先輩・上沢直之とともに両輪となりBクラスに沈むチームをけん引。東京五輪でも日本代表の金メダル獲得に貢献し、マウンドに白煙が上がる「追いロジン」が話題にもなった。2年目の今季は新型コロナ陽性で春季キャンプは出遅れたが、開幕までにきっちりと合わせてきた。新庄剛志BIGBOSSの采配を際立たせるのは伊藤大海の右腕だ。
取材・構成=滝川和臣 写真=高原由佳、山口高明、宮原和也

3月25日の対ソフトバンク開幕戦では四番手で2回を無安打無失点[写真は3月2日のオープン戦]


開幕前、最後の登板で見えた課題と収穫


 キャンプイン直前の1月30日、無症状ではあるものの新型コロナウイルス陽性判定を受けた。復帰は2月6日、その後はファームで調整を続け、一軍合流は20日まで待たねばならなかった。その影響もあってかオープン戦での登板は2試合のみ。最終登板となった3月18日のDeNA戦(札幌ドーム)は序盤から集中打を浴び、6回で4失点(自責点2)。納得できる内容とはほど遠いものの、志願してマウンドに立った最終6回を三者凡退に斬って取るなど光は見えた。試合の翌日、伊藤大海はインタビューに応じてくれた。当然ながら口を衝いて出るのは、前日の反省が多くを占めた。

──散髪したのは、いよいよ始まるぞ! という気持ちの表れ?  1年目は長髪がトレードマークにもなっていました。

伊藤 そうですね。シーズンが始まるということでフレッシュな気持ちで。自分ではあんまり、こだわりがないんですよね。長いのは東京五輪のイメージが強いのかもしれないですね。

──オープン戦最後の登板となった昨日の試合を振り返って(3月18日、DeNA戦=札幌ドーム。6回112球10安打、失点4自責点2)。変化球が少し高かったと試合直後は反省されていました。

伊藤 全体的に球を操り切れていない部分がありました。いろんなことが重なって、ずっと一軍で登板がなかったというのもありますし、力み過ぎたというのもあった。ストレートの精度も今一つでした。それでも最後の2イニング、100球あたりからのほうがいい感触は得られていました。
──変化球の使い方、配球など実戦のマウンドで試していた印象を受けました。

伊藤 配球に関しては、シーズン中とは変えていました。極端なことや、オープン戦でしかできないことをやっていました。こういうアプローチは、シーズン中にもすごく生きてくるんじゃないかと思います。

──スライダーをしつこいくらい続けてみたり、超スローカーブも交ぜていましたね。

伊藤 何球続けたら、打者の反応は変わってくるのかなと意識して投げていました。カーブは、そうですね。今の時期ならあれを投げて打たれてもいいので(笑)。シーズン中は何試合に1球投げるか、投げないかのボールです。実戦での緊張感、空気感、景色で投げることに意味があると思っています。それを昨日の試合で3〜4球投げられたのは収穫でした。

──カーブは2種類?

伊藤 はい。極端に遅いのと、110キロくらいのですね。握りも変えていて、片方は人さし指を立てて中指だけで投げている感じですね。

──最後の6回はテンポアップしたように見えましたが、クイックで投げていました。

伊藤 それもありますし・・・

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