「結果」のみで評価される監督という立場ながら、自らは「結果論」でモノを言わず、抜群のコミュニケーション能力で、選手に前を向かせたバレンタイン監督の手腕とは。 「マジック」と称されたバレンタイン監督のタクトは論理的なものだった
「結果論」は最悪
監督というのは選手の立場で言うと、どうしても「自分を使ってくれる監督が、いい監督」という側面があります。さらにチームの絶対的な中心選手になってしまえば、誰が監督であってもその選手は使わざるを得ないし、しっかり選手がそろっているチームでなければどんな監督であっても勝つことはできません。歴代で「名将」と言われた監督も、優勝したときのチームは選手がそろっていましたし、勝つという結果を残すことで監督たちは「名将」と呼ばれるようになっていったはずです。
評価基準が「結果」しかないのが監督の難しいところであり、ある意味でプロセスや根拠は「勝った監督」「結果を残した監督」の後付けでもあります。そこに選手の立場だと「自分を使ってくれる」という基準が入ってくる。そうした中でも僕が監督を語れるとしたら、やはりボビー・バレンタイン監督になります。
ボビーは僕のことをレギュラーとして扱ってくれましたから「いい監督」だったのですが、もちろんそれだけではありません。結果論でモノを言わないこと、それを実行するコミュニケーション力の高さが評価すべき点になります。すべて事前に選手と話し合い、疑問点をなくし、方針を決める。その上で・・・
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