新たな「ジャイアンツの守護神」が誕生した。チーム事情により中継ぎ起用が決まっていたドライチ右腕は、開幕直前になってクローザーに抜てき。150キロを優に超える剛球と持ち前の強心臓で見事に期待に応え、チームの開幕ダッシュに貢献した。確かな存在感を示す新守護神が胸の内を明かす。 取材・構成=杉浦多夢 写真=小山真司 ※情報は4月14日時点 記録づくめのデビュー
異例の抜てきに、見事に応える活躍を見せている。新人として40年ぶりとなる開幕戦セーブを挙げると、そこから7戦連続セーブ。新人の開幕戦から2試合連続セーブ、初登板から7試合連続セーブはいずれもNPB史上初。衝撃のデビューを飾ったドライチ右腕の現在地とは。 ──最初にリリーフ起用を告げられたときはどんな気持ちになりましたか。
大勢 短いイニングというのは自分のフォーム的にも、性格的にも合っているなと思いました。まだ自分が普段の練習から意識している投げ方が実戦ではできていないので、リリーフとしてしっかり一年間通して成長し、チームの勝利に貢献して、それから先発として勝負していったほうが自分としてはいいのかなと。
──いずれ先発という思いが胸にある。
大勢 今はこうして抑えという立場で起用していただいていますし、しっかり仕事をしたいと思っています。でも、いずれ将来的には先発ピッチャーとして投げたいという気持ちもあります。
──開幕直前に中継ぎから抑えに抜てきされました。どのタイミングで告げられたのでしょう。
大勢 どのタイミングというか、オープン戦の残り3試合、2試合というところでチームの投手陣の状況もあって後ろに回ることになり、その結果として自然に抑えというポジションを任せていただいたという感じです。
──開幕前には元
ヤンキースのマリアノ・リベラの名前も口にしていましたが、あらためてクローザーとしての理想像はどのようなものですか。
大勢 相手に絶望感を与えるというか。すごい抑えの人たちというのは、出てきたら味方には安心感を与え、相手には「このピッチャーが出てきたら……」と思わせる投手というイメージがある。自分が追求しているものをもっともっと磨いていけば、いずれそういった投手に近づけるのではないかと思います。
──「大勢が出てきたらもうダメだ」と思わせるような。
大勢 任せていただいている以上、そのくらいのスケールの選手にならないといけないという思いはあります。
──開幕戦からいきなり出番が来ましたが、マウンドに上がるときはどんな思いでしたか。
大勢 ホーム開幕戦でチームも初勝利がかかっていましたし、菅野(
菅野智之)さんが投げられていたので、エースを負けさせない、しっかり勝たせるということだけを考えてマウンドに上がりました。
──最後は二死満塁というピンチを切り抜けました。
大勢 素直に抑えられたことと・・・
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