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鈴木誠也が残したもの ―チームに宿る主砲のイズム―

 

特集の最後は、広島に欠かせなかったこの男の話で締めくくろう。チームの中心に君臨していた鈴木誠也は、今年、MLBのシカゴ・カブスへと旅立った。今後のカープを心配する声が多く聞かれる中、主砲不在の不安を吹き飛ばしたのは鈴木とともに戦い、鈴木のすごさを身近で感じていた選手たちだ。大丈夫、このチームはもっともっと強くなる――。
文=前原淳

写真=Getty Images


 開幕ダッシュに成功した広島が示したスタイルに、鈴木誠也の影響力が表れていたように感じる。3連覇後のシーズン、若き四番は個人成績だけでなく、チームの勝敗をも背負っていたようだった。それだけの打者。あまりに大き過ぎる喪失感がかえって、チームが進むべき方向性を明確にさせた。選手個々の力ではなく、束となりチーム力で戦わなければいけない――。開幕から20試合でリーグ最多87得点。鈴木移籍が何よりのメッセージとなり、「つなぐ野球」は浸透していったのではないだろうか。

 カブスへ移籍した鈴木も、広島の育成方針の中で育った。二軍寮の石碑に記された言葉『練習ハ不可能ヲ可能ニス』を実行し・・・

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