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甦る強竜魂

<徹底検証>立浪ドラゴンズの研究 冷静なる新監督の理想と現実【前編〜投手・捕手・守備〜】

 

チーム再建を託された立浪和義監督の下、ドラゴンズの2022年の戦いが繰り広げられている。開幕して1カ月を経過したところでの収穫と課題、その現状を立浪監督のコメントを交えながら、投手、捕手、守備、走塁、打撃の5項目を前編と後編に分けて探ってみる。
写真=BBM
【後編】はこちら

【1.投手】12球団屈指の陣容 大きい“中継ぎ新戦力”


柳裕也/6試合中5試合がバンテリンでの登板。現在の投手陣の中で最も頼れる投手。マウンドだけでなく打席でも気迫十分


 投高打低のドラゴンズにとって投手力は生命線。広いバンテリンドームを本拠地にしているだけに、それが最も手堅く勝利に近づける戦い方でもある。そして立浪和義監督が理想と掲げる野球もまた、投手力を前面に押し出したディフェンス野球なのだ。

 しかし投手に関しては、黄金時代を築いた落合博満監督(2004〜11年)が参謀の森繁和にそうしたように、立浪監督もまた全権を落合英二ヘッド兼投手コーチにほぼ委ねている。自らマウンドに向かって声掛けすることは多いが、パ・リーグのロッテや韓国球界での投手コーチの経験を持つ落合コーチのことを誰よりも信頼している。

 開幕から中心となっているのは大野雄大と柳裕也、左右2人のエース。特に柳は2完投を含む3勝をマーク。5月1日の広島戦(バンテリン)では4回までに97球を要したが、指揮官に「球数は気にしないでください」と直訴して7回131球まで投げ抜き、無失点で降板している。開幕投手を務めた大野雄は本調子とは言えないスタートも、5月6日の阪神戦(バンテリン)で圧巻の投球。延長10回二死までパーフェクトでサヨナラ勝利を呼び込んだ。負けが先行しているものの、気迫あふれる投球、その存在感はやはり別格。2人が投げる試合はより緊張感が増し、シーズンを通して2人がローテを守っていけば大きな連敗はないだろう。

 三本柱と期待された小笠原慎之介が新型コロナの陽性反応で戦線離脱となったのは予想外だったが、それほど大きな穴にはならなかった。高卒2年目の高橋宏斗が期待以上の活躍を見せているからだ。チーム浮上に若い力は欠かせない。高橋宏の真っすぐは小笠原、勝野昌慶の24歳コンビにも大きな刺激となっている。そこに福谷浩司松葉貴大が加わる先発陣は左右のバランスを含めて充実。「先発を7〜8人は作りたい」と落合ヘッド兼投手コーチは言うが、それは先を見据えての戦いでもあるのだ。

大野雄大/2年ぶり4度目の開幕投手を務め、5月6日の阪神戦[バンテリン]では延長10回二死までパーフェクトの力投


 さらに充実しているのがリリーフ陣だ。開幕早々に岩嵜翔が故障となったものの・・・

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