ヒゲを剃った今季の“マスター”は、今のチームで最も頼りになる打者だろう。チャンスに強く、粘り強い打撃で勝利に貢献。いぶし銀の活躍で強い輝きを放っている。マイペースな仕事人が竜打線を支えている。 取材・構成=牧野正 写真=桜井ひとし、BBM 毎日毎日コツコツと
開幕は控えのはずだった。立浪和義監督は今季、三塁に高卒3年目の石川昂弥を抜てきし、三塁を守っていた高橋周平を二塁に回した。昨年まで二塁のレギュラーだった阿部寿樹は出場機会を求めて左翼に挑戦。しかし開幕戦の左翼は菅野智之(巨人)との相性の良さもあり、福留孝介が決まっていた。ところが高橋周が開幕直前に左足首の捻挫で戦線離脱。阿部は「六番・二塁」で開幕スタメンに名を連ね、その後は五番に定着して勝負強い打撃を披露。もはやチームには欠かせない大きな存在となっている。 ──ここまで主にスタメン出場で、しっかりと成績も残して活躍。充実しているのではありませんか。
阿部 活躍しているというよりも、試合に出られているというのが一番だと思いますので、その点では充実していると思います。良かったです。
──開幕1カ月の“チームMVP”という声も多いです。
阿部 いや、どうですかね……。打つほうなら大島(洋平)さんのほうが打っていますし、投手陣も頑張っていますから。僕は毎日コツコツやっているだけです。
──本拠地バンテリンドームでの開幕戦となった4戦目の
DeNA戦(3月29日)以降、ずっと五番を任されていますが、その意識は?
阿部 特には……ただ、ずっと
ビシエドのあと(の五番)が大事と言われていたので、そこは何とかしたいという意識は持っています。でも打順が何番であろうと、一生懸命やるしかないです。
──今季はここまで得点圏打率もチームトップで(.400)、チャンスに強いという印象がありますが、好調の秘訣(ひけつ)を教えてください。
阿部 どうなんですかね。積極的に振るようにはしているのと・・・
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