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外国人特集2022

<HUMAN STORY>ソフトバンク・Y.グラシアル “家族”のためにプレーできる喜び 「ホークスは、自分にとって“家族”」

 

2018年に来日し、ホークスで5年目を迎えた。1年目から変わらないのは、戦いに挑む姿勢と、チーム・ファンに対する思い。かけがえのないモノのために、日々の努力を惜しまない。その素顔は、いつもありのままだ。真面目で、紳士で、勉強熱心――。
取材・文=菅原梨恵 通訳=青木レオナルド(ソフトバンク球団) 写真=榎本郁也、湯浅芳昭、BBM

自身としても、チームとしても悔しかった2021年。ただ、それは「もう過去のこと」。気持ちを新たに全力で戦っている


今年は全力で


 2022年1月27日、うれしいニュースが球団から発表された。去就未定だったキューバ勢がそろって残留決定。A.デスパイネ、L.モイネロとともに、Y.グラシアルも新シーズンを再び日本で、ホークスで過ごすことになった。

「また日本でプレーするチャンスを与えてくれたホークスに、非常に感謝していますし、戻れると聞いたときには本当に幸せな気分でした」

 あらためて当時の心境を尋ねると、グラシアルは笑顔で答えてくれた。ホークスでプレーできる喜び、ホークスへの愛情に満ちた表情。その笑顔に、「こちらこそ!」と感謝の気持ちがあふれる。

 昨季終了後、デスパイネとグラシアルには退団のウワサがあった。それぞれに思うような結果が残せず、苦しんだシーズン。特にグラシアルは、開幕から打撃好調だったものの、5月8日の西武戦(PayPayドーム)でアクシデントが襲う。2回、先頭打者で右中間への二塁打を放って出塁。その後、甲斐拓也の三ゴロで飛び出してしまい、慌てて帰塁するも二塁で憤死となったのだが、その際に二塁手と接触。4回の第2打席で代打を送られて病院に向かうと、「右第3・4指PIP橈側側副靭帯損傷」「右第4指基節骨剥離骨折」との診断を受けた。

 3週間程度の患部固定、その後は状況を見て競技復帰していく予定だったのだが、これが思わぬ方向に。故障個所自体は完治したものの固定した患部を思いどおりに動かすことができず、リハビリ生活は長期化。結局、シーズン最後まで実戦復帰は叶わず、グラシアル自身「自分の中でストレスが溜まっていた部分もあった」という。

 しかも、チームのV逸、Bクラス転落が、さらに追い打ちをかけた。チームの勝利に貢献することができなかった――。それだけに、戻ってきた今季に懸ける思いは強い。

「昨年の悔しさを、今年にぶつけたいという気持ち。チームとしても難しい、非常に厳しいシーズンだった。だが、それはもう過去のことなので。今年は全力で、自分のすべてを出し切って一戦一戦という姿勢をそのまま保って、これからも頑張りたいなというふうに思っています。今年の目標である『リーグ優勝』『日本一』を必ず手にできるように、みんなで戦っていく」

 力強い言葉が、次々に飛び出す。本当に頼もしい限りだ。

 18年にホークスに入団したグラシアルは、今季5年目のシーズンを迎えた。来日1年目は・・・

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