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2022魅惑のスタジアム 12球団本拠地ガイド

【バンテリンドームナゴヤ】広く高く投手有利なドーム球場

 

新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう!

バンテリンドームナゴヤ


 古くは中日球場(中日スタヂアム)、またナゴヤ球場と呼ばれて地元ファンに愛され続けてきたドラゴンズの本拠地が変わったのは1997年のこと。屋外で約半世紀過ごしたのち、新しく本拠地となったのは東海地区最大のドーム型球場「ナゴヤドーム」だった。

 狭いナゴヤ球場から広いナゴヤドームへと器が変わり、パワーよりもスピード、攻撃力よりも守備力が重視されるようになった。選手たちがその変化に戸惑ったことは、ナゴヤドーム1年目の最下位という結果が物語っている。「打ち勝つ」野球から「守り勝つ」野球への転換。それは現在の“投高打低”のチーム状況にもつながっているだろう。

 それでもナゴヤドーム3年目の99年に早くもリーグ制覇。当時の星野仙一監督がドーム野球に素早く対応した成果でもあった。2004年には落合博満監督が就任初年度にV。ドラゴンズの監督としてナゴヤドームで初めて胴上げされた。07年には悲願とも言うべき日本一の胴上げをナゴヤドームで決め、地元ファンと喜びを分かち合っている。

ナゴヤドームと呼ばれていたが、昨年から興和が命名権を取得してバンテリンドームナゴヤに。25年までの5年契約


 12球団の本拠地の中でも本塁打が出づらい球場と言われるのは左中間、右中間までの深さに加え、高さ4.8メートルのフェンスがそびえ立つからだ。さらにやや高めで固めのマウンドは他球団の投手から「投げやすい」と評判が良く、これらがピッチャーズパークと言われる所以(ゆえん)である。マウンドは昇降式。収納時は地下に降ろしてスライド式の床で開口部をふさいでフラットな状態となる。数年前までは「これでは打者が育たない」とホームランテラスの設置が話題を集めたが、そのためには数億円の費用が必要なことや新型コロナ禍の観客減で球場も大幅減収ということから、現在は棚上げ状態となっている。

 ドームに入ったときに真っ先に目に飛び込んでくるのはバックスクリーンにある大画面の「106ビジョン」だろう。美しい映像と迫力あふれる演出で、690灯の照明とともにドームを魅惑のステージへと引き上げている。ドーム内のコンコースや喫煙所には・・・

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