新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう！


　2002年のサッカー・日韓ワールドカップ開催に向けて札幌市郊外の丘陵地に建設され、01年に完成。特徴は何と言ってもホヴァリングサッカーステージ。サッカー開催時は空気圧で天然芝のピッチをドーム内に移動させ、人工芝の野球場と入れ替えている。02年にはサッカー・ワールドカップ3試合が開催され、Jリーグ・コンサドーレ札幌の本拠地としても使われている。04年に日本ハムが北海道へ移転し、兼用する形となった。

　夏は25℃、冬は20℃程度に室内気温が設定されており、年中快適に過ごし、選手たちも天候に左右されることなくプレーすることができる。グラウンド面積1万4460平方メートルは12球団の本拠地で一番広く、ファウルゾーンも含めて広々としたフィールドでダイナミックなプレーが楽しめる。収容人数は甲子園、東京ドームに次ぐ3番目であり、日本シリーズなどでは大観衆の声援がファイターズの選手を後押ししてきた


　5.75メートルのフェンスはプロ野球の本拠地では最も高いため、バンテリンドームと並んで本塁打が少ない球場でもある。また、投手の球速が“出やすい”という側面もあり、16年に大谷翔平(日本ハム)が165キロ、今年5月13日には千賀滉大(ソフトバンク)が164キロ、21年にはスアレス(阪神)とエスコバー(DeNA)が163キロをマークしている。これは札幌ドームの硬いマウンドが影響しているとも言われている。

　設備面では、レフトとライト後方に設置されている2つの大型ビジョンをはじめ、高さ53メートルから札幌市街を一望できる展望台、客席も年を追うごとに各世代のニーズに合った趣向を凝らしたシートが誕生し、野球以外のイベントも充実。ハード面での大きな拡張こそないが・・・