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2022魅惑のスタジアム 12球団本拠地ガイド

【ZOZOマリンスタジアム】熱気を運ぶ“マリンの風”

 

新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう!

ZOZOマリンスタジアム


 球場が完成したのは1990年。巨人ロッテのオープン戦が開催され、その後、「千葉マリンスタジアム」などを所有する千葉県・千葉市と、川崎球場の老朽化と観客動員に悩んでいたロッテの思惑が一致し、球団名も「千葉ロッテマリーンズ」として92年から移転が実現した。

 東京湾沿いに位置するとあって、海側のバックスクリーンから吹き込む強風が、92年に本拠地となってから変わることのない名物だ。そんな“マリンの風”は風速15メートルを超えることも少なくない。ネット裏にぶつかり跳ね返る向かい風が、ときには投手の変化球を“魔球”へと変貌させることもあり、95年にオリックス野田浩司が、風を生かして1試合19奪三振の日本記録を樹立。その記録に今年4月10日のオリックス戦で、佐々木朗希が並び、13者連続奪三振の日本記録とともに完全試合も達成と、その日の風によって変化が特有になることも多い。

 自然豊かな立地にあるスタジアムの魅力を引き立たせているのが、12球団の屋外本拠地球場で唯一、照明塔を立てず全観客席のひさしの部分にライトを散りばめた『サークルライン』。球場モデルはMLBのカージナルスが2005年まで使用した旧ブッシュ・スタジアムで、サークルラインが外観もスマートな印象を与えていることに加えて照明効果も高く、自然な明るさで試合を楽しめる。

『ホームランラグーン』が2019年に新設され、本塁打増に一役買っている


 徐々にエンターテインメント化も進んでいく。06年から球団が指定管理者となり「ボールパーク化構想」がスタート。上空を吹き荒れる“マリンの風”は・・・

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