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勝利の使者 クローザー徹底考察

DeNA・山崎康晃インタビュー 9回のマウンドに魅せられて 「誇りを持って9回のマウンドに立ち、強い自分を表現していきたい」

 

「ハマの小さな大魔神」が守護神・復活に足場を固めている。ここ2年は中継ぎ、セットアッパーで右腕を振ってきたが、今季は自身が天職と位置付ける、9回のマウンドに帰ってきた。
取材・構成=滝川和臣 写真=桜井ひとし、BBM
※情報・成績は6月19日時点、年齢は2022年の満年齢

山崎康晃[DeNA/投手/30歳] インステップする特徴的なフォームは入団時から変わらず。今季の最速は152キロと球威に衰えは感じさせない


【2022成績】12セーブ
19試合0勝2敗0H、防御率2.89
18.2回9安打2本塁打14三振、奪三振率6.75、被打率.141

戻った真っすぐの強さ


 今季のDeNAは確固たるクローザー不在のまま開幕を迎えた。新外国人クリスキーは抑えを任せるまでには至らず、Wクローザーと言えば聞こえはいいが、三嶋一輝と山崎康晃の状態がいいほうを9回に送り出す方針だった。5月に三嶋が登録抹消されると、繰り上がりで山崎がクローザーに。ここから2年連続セーブ王はぐんぐんと調子を上げていった。

──クローザーでのポジションを再びつかみつつあります(0勝2敗12セーブ、防御率2.89)。過去2シーズンと比べて、良くなった部分はどこでしょうか。

山崎 これまでは納得したストレートが投げられず、要所で打者にはじき返されてしまっていました。それが結果に表れていた。まだまだ状態を上げていきたいとは感じていますが、今年はストレートの状態が上がっていると感じています。

──体重が話題になることが多いですが、ウエートは意識してコントロールしたのですか。

山崎 特にキャンプ中は意識しましたね。昨年より5kg以上は体重が減っています。でも(ボールの質が戻ってきたのは)、体重だけが理由ではないと思っています。

──スリムならOKというわけではない。

山崎 ある程度の体重がないと出力が出ませんからね。あと、クローザーは1試合だけ抑えて、はい終わりというポジションではないですから、長いシーズンを投げ抜くスタミナが必要です。オフは例年になくトレーニングをみっちりとやりました。一応、プロ野球選手なのでそっちにフォーカスしてほしいですね(笑)。主にキレを出すメニューをトレーナーさんと二人三脚のような形でやらせてもらって、達成感がありました。

──真っすぐが戻ってきているために、ストレートとツーシームの2球種で勝負ができています。

山崎 直球でファウルが取れるようになり、自分はストレートで押していく投手なんだなと、あらためて特長が分かってきました。何より体の感覚に手応えを感じているのが一番かなと。ツーシームがフォーカスされがちですが、ストレートが僕の生命線です。自信を持って投げ込めるようになってからは去年のように、簡単にバットにとらえられることは減ってきているように感じます。

──スライダー、カットボールの割合が減っている一方で、球速を抑えたカウントボールを投げています。

山崎 ツーシームをスプリットのように落とすボールと、少し動かすボールと2種類を投げ分けています。球速帯で言えば、140キロ前後と・・・

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