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第93回都市対抗野球大会展望 東京ドームで熱戦展開!

<TEAM CLOSE UP>東京ガス(2年連続・23回目) 前回覇者が秘める自信の裏付け

 

2021年、都市対抗22回目の出場にして初の頂点に立った。前回大会優勝チームは予選免除の推薦出場も、昨年まで3年連続で、開幕戦で初戦敗退と「入り」の難しさを証明している。しかし、今年は違う。手応えを語れるだけの万全の準備を重ねてきた。
取材・文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

選手28人、全員が戦力である。スタッフ陣とタッグを組んでこの半年間、連覇を目標に練習を積んできた


 2019年大阪ガス、20年JFE東日本、21年ホンダ。3年連続で前年覇者が開幕試合で敗退した。予選免除による「推薦出場」の特権が、調整における難しさを生んでいる。都市対抗の特色である補強選手もなし。過去の優勝チームを見ても、助っ人との融合が大きな力を発揮する。

 昨年、初の黒獅子旗を手にした東京ガス。17年12月から指揮する山口太輔監督(慶大)は、この現実を前向きにとらえる。決して後出しジャンケンではない。苦笑いを浮かべ「予言者ではないですから」と、前置きをしてこう言う。

「ウチが勝ったらからではなく、第92回大会(21年)を制したチームは、第93回(22年)大会も連覇するであろうと見ていました。なぜなら、冬から夏と時間が短い。現場からすれば、半年でチーム力を上げるのは大変なパワーが必要。19、20年と2年連続で都市対抗を逃し、昨年は日本選手権予選も敗退。例年の日程であれば、その時期が都市対抗予選ですから、3年連続で東京ドームを逃したことになる。私はもう、ここにはいません(苦笑)。そういった運にも恵まれまして……。(1回戦から決勝まで)5試合、戦うことだけを考えてきた。本気で挑戦する」

 20、21年は東京五輪・パラリンピック開催の関係で、都市対抗は秋開催、社会人日本選手権は夏開催と日程が入れ替わった(新型コロナ禍で20年は12月の都市対抗のみ開催)。今年の都市対抗は従来の夏開催に戻ったため、前回大会からのスパンが短い。今季から主将の笹川晃平(東洋大)は「昨年は完成形ではなかった。今年は上積みが期待できる」と手応えを語れば、昨年、橋戸賞を受賞した臼井浩(中央学院大)は「優勝から半年なので、大きな変化はない。結果について自分たちはコントロールできないが、しっかり準備すればついてくる」と冷静に話す。

指揮官が投げかけた危機感


 昨年6月1日、チームはどん底ににあった。東京ガスは日本選手権関東最終予選の初戦で、日立製作所に完敗(1対7)した。山口監督は「日本一を獲りたい。そのために必要なのは体の強さ。黒獅子旗を目指す気がない選手は、会社に戻してやる」と厳しい言葉をかけた。誰一人として・・・

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