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2022ドラフト特集

田中幹也(亜大/主将)×井端弘和(亜大OB/侍ジャパンU-12代表監督) 大学先輩後輩対談 遊撃手の極意

 

亜大は今年6月に開催された全日本大学選手権で20年ぶりの優勝を遂げた。主将としてけん引した遊撃手は、幼少時から中日のショートストップが目標だった。尊敬する先輩と初対面し、野球談議に花を咲かせた。
取材・構成=矢崎良一 写真=榎本郁也 協力=フィールドフォースボールパーク

伝統のタテジマの「ASIA」のユニフォームを手にする2人。先輩と後輩は意気投合し遊撃手論、打撃理論、ドラフトについて語り合った


「何かやってくれる」期待感


井端 春季リーグ戦、大学選手権、優勝おめでとう。俺たちの代は、選手権で準優勝(1997年)だったので、超えられたな。

田中 ありがとうございます。でも春先は優勝なんてチームの誰も考えてはいなくて、監督からも「入れ替え戦を覚悟しておけ」と言われ、そういう気持ちで臨んだ春でした。

井端 生田(生田勉)監督は、俺たちのころはコーチで、手応えがあるチームのときにはいつもそういうふうに言うんだよ。だから内心、自信はあったんじゃないかな。日本一になって、周りの反響も大きいんじゃない?

田中 授業に行っても、今まで話したことのない人からよく声を掛けられます。だけど僕は決勝しか活躍(2安打3打点)できてないので……。

井端 そこで活躍できることがすごいよ。テレビ解説した試合も含めて何試合か見せてもらったけど、まず元気があって動きが良いと思った。亜大にはもともとそういう選手が多いけど、その中でも特に目に付いたな。プロ野球でも、あそこまで元気を表に出してプレーできる選手はそういないから。そこは、かなりのセールスポイントになるよ。大人しい選手が多い球団にはうってつけのキャラだな。俺の古巣とか(笑)。

田中 初めて言われたのですごくうれしいです。監督には「暗い顔をしてプレーするな」といつも言われています。僕はどちらかというと普段は静かなほうで、野球以外では大きな声を出したりするのは苦手なくらいなんですが、グラウンドに出ると無意識のうちにできていますね。

井端 そこがまた、魅力だよ。ムードメーカーとか言われていても実は暗いヤツって結構いるんだけど、それは、自分のことが精いっぱいだから。野球って「打った、打たない」という結果の世界だけど、打たなくても「何とかしてくれる」という雰囲気が伝わる選手は、ベンチの首脳陣も「次は何かやってくれる」と期待するから、仮に結果が出なくても、試合途中で代えにくくなるんだよ。

攻守で連動する股関節の動き


田中 実は子どものころから井端さんの大ファンでした。父親から井端さんのプレーの動画を見せられて、それからずっと真似をしていました。

井端 それは、光栄ですね。

田中 父は高校時代、東海大相模でショートを守っていて、ある程度、野球を分かっているので、子どものころから僕の試合を見に来ていろいろアドバイスをしてくれるのですが、よく「打球に対して低い姿勢のまま捕りにいけ」と教えられました。

井端 それ、正解です。そういうふうに教わっていたら成長が早いと思う。お父さんのように高いレベルでやっていた人は、「これだけをやっておけばいい」というものを知っている。俺も今、小、中学生に教えているのは、バッティングなら「しっかりトップを作ってフルスイングしなさい」、守備なら「準備を早くして打球を待ちなさい」と、それくらい。

田中 やっぱり「低い姿勢」というのは大事なんですか?

井端 低い姿勢になることで・・・

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