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ライオンズ黄金投手陣の秘密 CLOSE UP

西武・與座海人&本田圭佑 投手陣躍進の原動力 “自信”による変身

 

今季、西武投手陣で急成長を果たした投手がいる。5年目の與座海人、7年目の本田圭佑。それぞれ先発、リリーフでチームの躍進を支えるピッチングを披露。2人を開花させた“自信”とは何か。
文=上岡真里江 写真=BBM

[左]與座海人[右]本田圭佑


制球にフォーカスして磨いた技術


“自信”という魔法の威力はすごい。それを身につけた2人の投手が今季の西武を躍進に導いた。與座海人と本田圭佑だ。両者とも、これまでのキャリア全体を通して突出した成績を残せず、試行錯誤の日々が続いていた。今季も本田は二軍スタート、與座は開幕先発ローテーションに入るも1試合を投げて4失点(自責3)を喫し登録抹消と、開幕当初はどちらも戦力になれずにいた。だが4月26日、奇しくもそろって「特例2022対象選手」として一軍登録されると、この昇格を機に、それぞれが立場を一変させていった。

 5年目を迎えた與座は1年目オフ(2018年10月)にトミー・ジョン手術を受け、実質、投げられるようになって今季が3年目となる。希少なアンダースローとして、20年から毎年先発ローテの一角として期待されてきたが結果を残せなかった。

 期待に応えるべく変革を目指し、今季は下手投げという特性をより一層生かそうと、「もっともっと沈み込んで、さらに下から投げる」ためのフォームにキャンプ時から挑戦。だが、それが自分の体に合っていなかったことに、今季初登板(3月31日日本ハム戦=札幌ドーム)で気付かされた。試合後、二軍調整が決まったことで腹を据えてのフォーム再構築を決意。昨季の良かったときにイメージを戻しつつ、今回のトライで新たにつかんだ感覚を織り交ぜた形にたどり着く。そのフォーム固めと「捕手の要求どおりに制球良く、自分の思った球質で、高確率で投げられるように」との技術向上にひたすら時間を費やした。そこで徹底的に制球力にフォーカスして技術を磨いたことが、のちの飛躍へとつながったのである。

 中継ぎとして一軍に再昇格し、4月28日のソフトバンク戦(PayPayドーム)、昇格後初登板のロングリリーフでの内容を評価され、再び先発へ転向。その後は抜群の安定感で先発ローテを守り続けている。なんといっても一番の変化は四球が激減したことだ。その要因について與座本人は次のように分析している。

「走者がいるセットポジションでも打ち取れているのが大きい。もともとセットが苦手でしたがブルペン投球はもちろん、練習のキャッチボールでもクイックを入れるなど普段から少しずつ回数を増やしたことで体がその動作に慣れたんだと思います。それとアンダースローなので(盗塁で)走られやすい傾向がありますが・・・

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