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高校生ドラフト特集2022 注目選手クローズアップ【甲子園不出場組】

茨木秀俊(帝京長岡高・投手)投球センスあふれる147キロ右腕「チームを勝たせられる投手になりたい」

 

生まれ育った北海道から、自らの夢を実現させるために、新潟県長岡市にやってきた。高校3年間、努力を重ね、プロ注目の存在となった。伸びしろは十分で、将来性は「◎」だ。
取材・文・写真=岡田浩人

8月24日、プロ志望届を提出することを明らかにし、意気込みを語った


 甲子園にはあと一歩届かなかった。しかし、しなやかなフォームから放たれる最速147キロの直球、鋭いスライダー、そして落差のあるチェンジアップを操る投球術で三振の山を築き今夏、新潟大会で帝京長岡高を創部初の決勝進出に導いた。帝京高で1987年の春夏甲子園で活躍した芝草宇宙監督(元日本ハムほか)の秘蔵っ子としても注目を集めた(芝草監督は9月6日、日本学生野球協会の審査室会議で7月29日から10月28日まで、3カ月の謹慎処分)。

 北海道札幌市出身。小学2年生のときに父親・幸雄さんの影響で野球を始めると類(たぐい)まれな運動センスを発揮。6年時で全道大会を優勝。中学でも硬式の札幌東シニアのエースとして全国の舞台を経験するなど、好右腕として知られた。高校進学のタイミング(2020年4月)で、芝草監督が帝京長岡高の監督に就任。「初の甲子園出場を一緒に勝ち取るために、長岡に来てほしい」と誘いを受けた。

「野球を始めたときからプロ野球選手になりたいと思ってきました。元プロ野球選手の芝草監督の下で成長したい、期待に応えたいと思いました」

 親元を離れ、故郷から約800キロ離れた長岡市にやって来た。「夏は暑く、冬は雪の量が多い」。茨木はその印象を笑顔で話す。

 決して口数は多くないが、黙々と練習に取り組んだ。その姿を見た芝草監督は「入学直後から練習に取り組む姿勢は、ほかの選手の手本となるくらいしっかりやっていた。人の話をよく聞くことができ、吸収力が高く、これは、信頼できるエースになると思った」と振り返る。茨木は芝草監督の期待どおりの成長を見せる。

「中学までは変化球に頼る傾向にあったが、『真っすぐで押せなければ上では通用しない』と言い聞かせた」

 指揮官の言葉を受け、真っすぐの質を磨いた。1年夏には公式戦デビューを果たすと、バランスのいいフォームと直球のキレ、低めへの制球が早くもスカウトの間で評判になった。2年秋には最速は140キロ台中盤にまで伸び・・・

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