週刊ベースボールONLINE

TEAM REPORT Tokyo Yakult Swallows

ヤクルト・王者の結束力

 

2年連続のリーグ優勝を果たしたが、道のりは決して平たんではなかった。しかし、チームの絆はより強固になった。球団初の2年連続日本一へ――。次はCSファイナルステージで敵を迎え撃つ。
写真=BBM

村上宗隆[中央]の復調はもちろん、その後ろを打つ五番のオスナ[右から2番目]が打線のカギを握る


主将・山田の涙


 ヤクルトが1992、93年以来のセ・リーグ連覇を果たした。29年前、クローザー転向1年目で腕を振っていたのが高津臣吾監督。今度はルーキー丸山和郁のサヨナラ二塁打をベンチで見届けてコーチ陣と抱き合い「言葉はおかしいかもしれないが、連覇よりも、今季勝てたことがうれしい。勝つことを目標にスタートして連覇という結果がついてきた」と真っ赤な目で言った。

 昨年は終盤に「絶対大丈夫」の合言葉で結束。13試合負けなしなど神懸かり的な勝負強さで阪神巨人とのデッドヒートを制した。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、奥川恭伸がレギュラーシーズンでやったことのない完投を完封で遂げた。同様に高橋奎二も日本シリーズ第2戦で完封。第6戦では代打・川端慎吾の決勝打で20年ぶりの日本一を決めるという、マンガのような勝ち方だった。

 今季も前半は、その余韻を感じさせる強さだった。阪神との開幕戦(3月25日、京セラドーム)での7点差大逆転は言うまでもなく、特に交流戦が圧巻だった。まずは初戦の日本ハム戦(5月24日、神宮)。0対1の8回に代打・内山壮真のプロ1号ソロで追い付いて延長戦に持ち込むと、10回無死満塁では田口麗斗が火消しに立ち、のちに「田口の20球」と呼ばれる好リリーフを見せた。最後は11回に村上宗隆がサヨナラ2ランをたたき込んだ。翌日の同戦は2点を追う9回に山崎晃大朗が逆転サヨナラ3ランを放って連夜のサヨナラ勝ち。続く27日の楽天戦(楽天生命パーク)では塩見泰隆が3打席連続本塁打。その後は救援陣がそろって絶好調で、交流戦最後まで好投を続けた。仕上げはもちろん四番・村上。「(故郷)九州の空気はおいしい」と昨年に続いてPayPayドームで打ちまくり・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング